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ルカ(聖夜月ルカ)

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084. 箱の中身

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「おまえ…今の話は本当なのか?」

「君の前の人は3年だったからまぁ運が良かった方だね。
今頃、彼は元の場所に帰ってるよ…
長い人はね、百年以上ここにいる人もいるんだよ。」

箱うさぎの話を聞いて、俺はあることを思い出した。

そうだ…!
あのコンビニが出来てすぐの頃、店員が突然行方不明になったことがあった。
そしたら、あのコンビニにのあった場所は元は墓場だったとか、コンビニには霊がいるとかいかにも胡散臭い噂が立って、それ以来、なんとなく人が寄りつかなくなったんだ…
俺はそんなことは信じないタイプだから、気にもしてなかったけど…

「まさか、その店員が…!」

「そうだよ。
店員があのコンビニで箱を開けちゃったんだね。
店の片隅にあったあの箱…今まで誰も開けなかったんだね。
3年間も誰も気付かなかったのか、それとも興味を示さなかったか…
その箱を、今になって誰かが宅配便の荷物と間違えて積み込んだか不審な荷物だったからわざと積み込んだのかもしれないね。
最近は物騒な事件もよくあるからね。」

(そういえば、あのコンビニは年配の夫婦がオーナーで、いなくなったのはバイトの若い店員だ…
今までは2人でやってたはずなのに今日は若い店員が1人いたが、あいつがあの箱を積みこんだのか?)

「詳しいことは僕にはわからない…
じゃ、僕、もう行くから…」

「行くってどこに…?!」

「僕は箱うさぎ。
箱の中の箱うさぎ。」

「おい!何、わけわからないことを…
お、おいっ!
待て!待てよ!!」

箱うさぎは俺の声を無視して走ってどこかへ行ってしまった…

残された俺は…
果てしなく広がる箱の世界の中で、何もせず、ただ待つしかないのだ…



あの廃工場のあの箱を誰かが開けてくれるその日まで、ずっと1人で…
この大きくて小さい箱の中で…ずっとずっと…


…END

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