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083. 幻想の草原
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「こ、ここは…!」
「ル、ルークさん!さ、さっきとは場所が変わっています!」
瞬き一つしたかしないかの間に、俺達は森とは違う場所に来ていた。
この場所がどこなのか、森からどのくらい離れているのか、どんな方法で運ばれたのかは全くわからない。
さわさわと草のこすれる優しい音がして、少し青臭いけどとても心地良い風が吹いている。
普通なら、こんな場所に寝転んで昼寝でもしたい所なんだけど、ここではそういう気分になれなかった。
なぜなら、周りが虹の色のようなあやしい光りに包まれ、それがうねうねと動いていたからだ。
それは今までに見た事のないとても綺麗な光景なんだが、明らかに現実とは違う気がしてどこか薄気味が悪かったんだ。
「まさか……ここって天国じゃないだろうな?」
「ええっっ!?」
おかしな空を見上げていたランスロットが、俺の言葉に驚いて目を丸くし、ジーニアスは俺の方を見て静かに笑った。
「驚かれるのも無理はありませんが、天国ではありませんよ。
ただ、エルフの村は現実の世界とは少し違う場所にあるものですから少しばかり風景が変わっていますが…村に近付いたら見慣れたものになります。
ここは、言ってみればエルフの村と人間の世界を繋ぐ通路のような場所なのです。」
「この草原が通路…?」
俺はまるで万華鏡の中にいるような気分だった。
あたりに群生してる草は、俺達の世界のものと変わらない。
だけど、なにしろ空がおかしいんだ。
草原の果てもよく見えなくて空が垂れ下がってるようにも見える。
その時、俺は思った。
そうだ、トンネルの形に似てるんだ。
ジーニアスが言った通り、ここは不思議な通路のようなものなんだと俺はようやく理解した。
進んで行くうちに、やがて、空のあやしい光りがだんだんと薄れ、見慣れた青い空に変わっていった。
「あそこがエルフの村ですよ。」
そう言ったジーニアスの白くて長い指が指した先には、のどかな集落の姿がうっすらと見えた。
「こ、ここは…!」
「ル、ルークさん!さ、さっきとは場所が変わっています!」
瞬き一つしたかしないかの間に、俺達は森とは違う場所に来ていた。
この場所がどこなのか、森からどのくらい離れているのか、どんな方法で運ばれたのかは全くわからない。
さわさわと草のこすれる優しい音がして、少し青臭いけどとても心地良い風が吹いている。
普通なら、こんな場所に寝転んで昼寝でもしたい所なんだけど、ここではそういう気分になれなかった。
なぜなら、周りが虹の色のようなあやしい光りに包まれ、それがうねうねと動いていたからだ。
それは今までに見た事のないとても綺麗な光景なんだが、明らかに現実とは違う気がしてどこか薄気味が悪かったんだ。
「まさか……ここって天国じゃないだろうな?」
「ええっっ!?」
おかしな空を見上げていたランスロットが、俺の言葉に驚いて目を丸くし、ジーニアスは俺の方を見て静かに笑った。
「驚かれるのも無理はありませんが、天国ではありませんよ。
ただ、エルフの村は現実の世界とは少し違う場所にあるものですから少しばかり風景が変わっていますが…村に近付いたら見慣れたものになります。
ここは、言ってみればエルフの村と人間の世界を繋ぐ通路のような場所なのです。」
「この草原が通路…?」
俺はまるで万華鏡の中にいるような気分だった。
あたりに群生してる草は、俺達の世界のものと変わらない。
だけど、なにしろ空がおかしいんだ。
草原の果てもよく見えなくて空が垂れ下がってるようにも見える。
その時、俺は思った。
そうだ、トンネルの形に似てるんだ。
ジーニアスが言った通り、ここは不思議な通路のようなものなんだと俺はようやく理解した。
進んで行くうちに、やがて、空のあやしい光りがだんだんと薄れ、見慣れた青い空に変わっていった。
「あそこがエルフの村ですよ。」
そう言ったジーニアスの白くて長い指が指した先には、のどかな集落の姿がうっすらと見えた。
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