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ルカ(聖夜月ルカ)

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079. 扉

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 (あれ…ここは…?)



そこはとても不思議な場所だった。
あたりは白い靄のようなものに覆われ、靄以外何も見えない。
 僕は、どちらに向かっているかもわからないまま、その場所を移動していた。



 (あ、あれは……)



 唐突に、行く先に扉が現れた。
 壁もなにもないのに、ただ扉だけが存在していたのだ。
 周りの靄に溶け込んでしまいそうな真っ白な扉が…
そして、その扉の傍には、老人が立っていた。
 痩せた70歳くらいの老人で、全く見覚えのない顔だ。
 僕は、不審に感じながらも、扉の方へ歩いて行った。



 「良く来たな。」

 「はぁ…」

 「この扉が何かわかるか?」

 「いえ…わかりません。」

 会話をしている時に、僕は何となく…これが夢だという意識を感じた。



 「この扉を開けると、潤の体と入れ替わることが出来る。
もちろん、体が変わるだけじゃない。
おまえは、潤の人生を歩むことになるんだ。
どうだ…変わりたくはないか?
おまえはもっと生きたいのだろう?」

 「はい、僕はもっと生きたい…!
たとえ、潤の人生でも構いません!」

そう言って、僕は扉を開いた。

 
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