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078. 異国の歌
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「なんだって?じゃあ、いつも同じ時間にでかけてたのはそのためだったっていうのかい?」
「そうよ、なんだと思ってたの?」
「僕はてっきり君には他に好きな人がいるんだと…」
「馬鹿ね!毎日、同じ場所で1時間だけ会ってたと思ってたの?」
「う…うん、確かにそれはおかしいとは思ってたけど…」
「ステファン……あなたって本当に早とちりね!」
「………ごめん。
でも、どうして、君はこの歌を知ってたの?」
「それがわからないの。
小さい頃から歌ってたらしいのよ。
うちの両親はおろか、親戚も誰も異国に行ったことさえないのに…」
「信じられない…」
「皆、そう言うわ。」
「そうじゃないよ。
僕もまったく同じなんだ。
僕の両親も親戚も誰も異国になんて行ったことないんだ。
なのに、僕も小さい頃からこの歌を歌ってたっていうんだよ。」
「じゃあ、あなたもこの歌がどこの国の歌で、どういう内容の歌なのか知らないっていうの?」
「あぁ、その通りだよ。」
「嘘……」
「皆、そう言うよ。」
二人は、顔を見合わせて笑った。
暗くてよく見えなかったけど、お互いの笑顔が目に浮かんだ。
ほんの少し前まで別れるつもりになっていたこともすっかり忘れ、二人は唇を重ねていた。
「ステファン…この歌の国を探しにいかない?」
「良いね。
みつかるかどうかはわからないけど、この歌を探しにいろんな国を旅して回るなんて素敵だね。」
「私達がみつけられなくても、きっと私達の子供達がみつけてくれるわ…」
「こ…子供達って…アンナ、それじゃあ…」
「きっと私達は結婚する運命だったのよ。
だって、意味もわからない国の歌を知ってるなんて…こんな偶然ってめったにないもの。」
「アンナ…!!」
二人は知らなかった。
この歌が、お互いへの想いを綴った愛の歌だということを…
長い長い年月と再生を繰り返し、やっと巡り会えたのだということを…
その一月後、二人は結婚し、そして旅に出た。
あの歌を探す長い旅へ…
みつかるかどうかはわからない幻の国を探す旅へ…
「そうよ、なんだと思ってたの?」
「僕はてっきり君には他に好きな人がいるんだと…」
「馬鹿ね!毎日、同じ場所で1時間だけ会ってたと思ってたの?」
「う…うん、確かにそれはおかしいとは思ってたけど…」
「ステファン……あなたって本当に早とちりね!」
「………ごめん。
でも、どうして、君はこの歌を知ってたの?」
「それがわからないの。
小さい頃から歌ってたらしいのよ。
うちの両親はおろか、親戚も誰も異国に行ったことさえないのに…」
「信じられない…」
「皆、そう言うわ。」
「そうじゃないよ。
僕もまったく同じなんだ。
僕の両親も親戚も誰も異国になんて行ったことないんだ。
なのに、僕も小さい頃からこの歌を歌ってたっていうんだよ。」
「じゃあ、あなたもこの歌がどこの国の歌で、どういう内容の歌なのか知らないっていうの?」
「あぁ、その通りだよ。」
「嘘……」
「皆、そう言うよ。」
二人は、顔を見合わせて笑った。
暗くてよく見えなかったけど、お互いの笑顔が目に浮かんだ。
ほんの少し前まで別れるつもりになっていたこともすっかり忘れ、二人は唇を重ねていた。
「ステファン…この歌の国を探しにいかない?」
「良いね。
みつかるかどうかはわからないけど、この歌を探しにいろんな国を旅して回るなんて素敵だね。」
「私達がみつけられなくても、きっと私達の子供達がみつけてくれるわ…」
「こ…子供達って…アンナ、それじゃあ…」
「きっと私達は結婚する運命だったのよ。
だって、意味もわからない国の歌を知ってるなんて…こんな偶然ってめったにないもの。」
「アンナ…!!」
二人は知らなかった。
この歌が、お互いへの想いを綴った愛の歌だということを…
長い長い年月と再生を繰り返し、やっと巡り会えたのだということを…
その一月後、二人は結婚し、そして旅に出た。
あの歌を探す長い旅へ…
みつかるかどうかはわからない幻の国を探す旅へ…
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