538 / 697
076. 野望
5
しおりを挟む
(ふふふふふ…
後は、胡燕殿を出来るだけ磨き上げるだけじゃな。
胡燕殿のルックスをもってすれば、相手があの楊俊様でも勝負は五分五分…いや、目新しさも手伝って6:4で勝てるのではなかろうか?
楊俊様は、今年も爽やかな好青年路線で行くだろうから、胡燕殿には……そうじゃ!
妖艶さで行こう!
妖艶でありながら細マッチョ…このギャップが国民に支持されないわけはない!)
次の日から、各界のスペシャリストが集められ、胡燕へのビューティートレーニングが始まった。
栄養失調のため荒れていた胡燕の肌は、十分な栄養補給とエステ界のゴッドハンドにより、生まれたての赤ちゃんのようなすべすべ肌に甦った。
髪にも艶が戻り、カリスマ美容師の手によって、センス溢れるモダンな髪型に刈り込まれた。
元々筋肉質だった身体には、トレーニングによりさらに程好い筋肉が付き、胡燕は、いつしか並外れたイケメンに変身していた。
「さて、いよいよですな。
胡燕殿、緊張せずに普段通りにしておけば良いのですぞ。
インタビューにはただ黙って微笑むのです。
そして、私がこの合図をしたらウィンク。これをしたらターン。
わかりましたな!?」
「某、このような出で立ちで公衆の面前に出て行くのはどうも…」
「今更、なにをおっしゃっているのです!
これも、皆のためではありませんか!
それに、スペシャリスト達も皆、あんなに頑張ってあなた様のことを磨き上げたのですぞ。
私は良いのです…
あなた様のために全力で尽力し、あなた様のために多額の金を支払った私は何の見返りも期待しておりませんが、そんなことをおっしゃられては、頑張ってきたスペシャリスト達が気の毒で……」
李雲は隠し持った目薬を使いながら、ハンカチで涙を拭った。
「李雲殿…つまらぬことを口走ってしまい申し訳ない。
某、今日は一生懸命出場させていただきますぞ!」
「おぉ…胡燕殿……!」
李雲は、胡燕の手を握り締めた。
*
「では、次はエントリーナンバー50番。いよいよラストです!
ラストの出場者は南の国から出場の胡燕さんです~!」
よく通る女性司会者の声で場内アナウンスが流れ、場内から拍手がわきあがる。
「さぁ、胡燕殿…!」
李雲はそっと胡燕の背中を押し、胡燕はそれにゆっくりと頷いた。
後は、胡燕殿を出来るだけ磨き上げるだけじゃな。
胡燕殿のルックスをもってすれば、相手があの楊俊様でも勝負は五分五分…いや、目新しさも手伝って6:4で勝てるのではなかろうか?
楊俊様は、今年も爽やかな好青年路線で行くだろうから、胡燕殿には……そうじゃ!
妖艶さで行こう!
妖艶でありながら細マッチョ…このギャップが国民に支持されないわけはない!)
次の日から、各界のスペシャリストが集められ、胡燕へのビューティートレーニングが始まった。
栄養失調のため荒れていた胡燕の肌は、十分な栄養補給とエステ界のゴッドハンドにより、生まれたての赤ちゃんのようなすべすべ肌に甦った。
髪にも艶が戻り、カリスマ美容師の手によって、センス溢れるモダンな髪型に刈り込まれた。
元々筋肉質だった身体には、トレーニングによりさらに程好い筋肉が付き、胡燕は、いつしか並外れたイケメンに変身していた。
「さて、いよいよですな。
胡燕殿、緊張せずに普段通りにしておけば良いのですぞ。
インタビューにはただ黙って微笑むのです。
そして、私がこの合図をしたらウィンク。これをしたらターン。
わかりましたな!?」
「某、このような出で立ちで公衆の面前に出て行くのはどうも…」
「今更、なにをおっしゃっているのです!
これも、皆のためではありませんか!
それに、スペシャリスト達も皆、あんなに頑張ってあなた様のことを磨き上げたのですぞ。
私は良いのです…
あなた様のために全力で尽力し、あなた様のために多額の金を支払った私は何の見返りも期待しておりませんが、そんなことをおっしゃられては、頑張ってきたスペシャリスト達が気の毒で……」
李雲は隠し持った目薬を使いながら、ハンカチで涙を拭った。
「李雲殿…つまらぬことを口走ってしまい申し訳ない。
某、今日は一生懸命出場させていただきますぞ!」
「おぉ…胡燕殿……!」
李雲は、胡燕の手を握り締めた。
*
「では、次はエントリーナンバー50番。いよいよラストです!
ラストの出場者は南の国から出場の胡燕さんです~!」
よく通る女性司会者の声で場内アナウンスが流れ、場内から拍手がわきあがる。
「さぁ、胡燕殿…!」
李雲はそっと胡燕の背中を押し、胡燕はそれにゆっくりと頷いた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~
柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。
想像と、違ったんだけど?神様!
寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。
神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗
もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。
とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗
いくぞ、「【【オー❗】】」
誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。
「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。
コメントをくれた方にはお返事します。
こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。
2日に1回更新しています。(予定によって変更あり)
小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。
少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる