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073. 伊達と酔狂
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「祐介…これとこれでは、おまえならどっちを選ぶ?」
「俺ならやっぱりこっちっすね。
こっちは色は綺麗だけど、深みがない。
それに、こういうところの繊細さが、こっちの方がうんと手が込んでますからね。」
「ふむ。」
祐介の的確な目利きに、山岸は満足げに頷く。
山岸は、祐介が初めて店に来た時のことを思い出していた。
先程のお客と同じように、山岸も最初は祐介のことを相手にしなかった。
骨董が好きだと言うのも、きっと一時的なものだと思い込んでいた。
だが、彼の純粋な目と、決してあきらめない強い気持ちに次第にほだされ、ついに、彼を店で働かせることにした。
彼はとても真面目に働いた。
まるでスポンジのように山岸の知識を吸収し、どんなことにも手を抜かない祐介の姿勢に、山岸はいつしか、祐介のことを認めてしまっていた。
「先生、今日は、良い品が仕入れられて良かったですね。」
「そうだな。」
祐介のことを可愛いと思うがゆえに、彼の身なりがどうしても気になる。
だが、何度言っても無駄だということも山岸はわかっており、もやもやした気持ちを抱えながら、どうすることも出来なかった。
「祐介…これとこれでは、おまえならどっちを選ぶ?」
「俺ならやっぱりこっちっすね。
こっちは色は綺麗だけど、深みがない。
それに、こういうところの繊細さが、こっちの方がうんと手が込んでますからね。」
「ふむ。」
祐介の的確な目利きに、山岸は満足げに頷く。
山岸は、祐介が初めて店に来た時のことを思い出していた。
先程のお客と同じように、山岸も最初は祐介のことを相手にしなかった。
骨董が好きだと言うのも、きっと一時的なものだと思い込んでいた。
だが、彼の純粋な目と、決してあきらめない強い気持ちに次第にほだされ、ついに、彼を店で働かせることにした。
彼はとても真面目に働いた。
まるでスポンジのように山岸の知識を吸収し、どんなことにも手を抜かない祐介の姿勢に、山岸はいつしか、祐介のことを認めてしまっていた。
「先生、今日は、良い品が仕入れられて良かったですね。」
「そうだな。」
祐介のことを可愛いと思うがゆえに、彼の身なりがどうしても気になる。
だが、何度言っても無駄だということも山岸はわかっており、もやもやした気持ちを抱えながら、どうすることも出来なかった。
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