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ルカ(聖夜月ルカ)

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073. 伊達と酔狂

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「祐介……
いい加減、その身なりをどうにかしたらどうなんだ?」

 「え?俺の身なり…何か問題っすか?」

 「そりゃあそうだろう。
 骨董に興味を持つ者は、やはりそれなりに年齢層が高いものだ。
そういう者からしたら、おまえの身なりはどう見ても骨董の知識なんて持っているようには思えんだろうからな。」

 「やだなぁ、先生…
以前、言ってくれたじゃないっすか。
 上辺に惑わされるようでは、真の目利きは出来ないって。」

 「そ、それはだなぁ…」

 山岸は、深い溜め息を吐き出した。



 山岸は、才能のある祐介のことを気にかけている。
 誰からも認められる鑑定士になり、店も繁盛してほしいと考えているが、当の祐介は根っからの自由人。
いかにも頭の中身がなさそうに見える外見のせいで、損をしていることが山岸にはもったいなくて仕方がないのに、当の祐介はそんなことは少しも気にしていない。



 「おまえは、親の力も借りず、まだ中学生の頃からコツコツ働いて金を貯め、この店を持った。
 今時、珍しい程の努力家なのに、なぜそれをウリにしないのだ?」

 「俺、そういうの苦手なんすよね。」

 全く悪びれた様子もなく、無邪気に笑う祐介に、山岸はまた溜め息を吐き出した。

 
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