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ルカ(聖夜月ルカ)

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072. 単独行動

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そこで俺は名前を聞かれ、窓口の女性はそれを原始的なタイプライターのような機械に打ち込んでいた。



「では、今からあなたの家にお連れします。」

「えっ?俺の家?
もう俺の家があるのですか?」

「そうです。
ここにきて間もない方が暮らす家です。
そこには三年間しかいることが出来ませんが…」



メリーから聞いていた話とはずいぶん違う。
メリーは、ドアーズのことをあまり話したがらなかったが、唯一良くいってたのは、ドアーズは皆で協力する温かい世界だということだった。
家も新しい住人が来る度、皆で協力して建てると言っていたはずだが…

メリーの話とずいぶん違うことに違和感を感じながらも、俺は黙ってミシアの後を着いていった。



「ここです。
今、空いているのは印のない部屋になりますがどの部屋になさいますか?
やはり、端部屋がよろしいかしら?」

そう言いながら、二階建てのアパートのような建物の中にはいリ、玄関先に貼られた紙を指差した。
一階も二階も各5部屋ずつあるようだ。
そのうち丸い印が付いているのは、一階の1号室と5号室、そして二階の1号室には×印が付いていた。



「ミシアさん、この×印は何ですか?」

「それは…
その部屋はだめなんです。」

「誰かが住んでらっしゃるんですか?」

「いえ…そういうわけではないのですが…
世夜さん、二階の5号室はいかがですか?
ここは風がよく通る部屋ですよ。」

「俺は別にどこでもかまいませんが…」

「じゃあ、そうしましょう!」

ミシアは持っていたペンで、二階の5号室に丸印を付けた。



「さぁ、こちらです。」

ミシアは、階段を上り始め、俺はその後を着いて行く。



5号室の前に着くと、ミシアはバッグの中からⅡー5と書かれた鍵を出し、それで鍵を開けた。

「さぁ、どうぞ!
今日からここがあなたのお部屋です。」

そう言って通された部屋は玄関を抜けるとキッチン、そして、トイレやバスの水周りがあり、その奥にリビングらしい部屋と寝室があった。
それらはどの部屋も1人で暮らすには十分過ぎる程の広さで、各部屋の中には家具も備えつけられてあった。
ただ、テレビのようなものはない。
おそらくまだそこまでは文明が進んでいないのだろう。
メリーならがっかりするかもしれないが、俺はテレビがなくても別に問題はない。


 
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