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071. 雨に濡れても
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「おばあちゃ~ん!」
「おやまぁ、フィーネじゃないか。久しぶりだね!
あれ?」
祖母は、その場にいるはずのライザの姿を探す。
「おばあちゃん、私、今日は一人で来たのよ!
母さんが足をくじいたから…」
「そうだったのかい。
しかし、よく、ライザがおまえを一人で来させてくれたもんだね。」
「ええ…大変だったわ。
母さんったら本当に過保護なんだから…
おばあちゃん!はい、これ、うちで採れたいちご。」
フィーネは、祖母の前にいちごでいっぱいのかごを差し出した。
祖母は真っ赤ないちごの山に、顔をほころばせる。
「ありがとうね、フィーネ。
こんなにたくさんあるんだったら、ジャムでも作ろうかねぇ…」
「えっ!いちごのジャム?
おばあちゃん!私にジャムの作り方を教えてちょうだい!
おばあちゃんのジャムは母さんのより美味しいんだもの、きっと何か作り方が違うんだとずっと思ってたの!」
「そりゃあ良いけど…遅くならないかい?」
「大丈夫よ!
さぁ、今から作りましょうよ!」
フィーネに急きたてられるようにして、二人は台所へ向かった。
テーブルの上にいちごを広げ、久しぶりに出会った二人は他愛ない会話をしながらいちごジャム作りに取りかかった。
「おかしいわね。
材料は母さんと同じなのに、どうしておばあちゃんの作ったジャムの方がおいしいのかしら?」
「それは、きっと煮詰め具合か砂糖の分量だろうね。
いちごによって微妙に変えてるからね。
それだけの違いだよ。」
そう言うと、祖母はいちごを手に取り口の中に放りこんだ。
「今年のはとっても甘いね!」
祖母は、いちごをフィーネの目の前に差し出し、二人は甘いいちごを次々に頬張った。
「おばあちゃん、こんなに食べてたらジャムが出来なくなっちゃうわ!」
「そうだね…味見はもうこのくらいにしとこうね。」
二人は顔を見合わせて微笑んだ。
「おやまぁ、フィーネじゃないか。久しぶりだね!
あれ?」
祖母は、その場にいるはずのライザの姿を探す。
「おばあちゃん、私、今日は一人で来たのよ!
母さんが足をくじいたから…」
「そうだったのかい。
しかし、よく、ライザがおまえを一人で来させてくれたもんだね。」
「ええ…大変だったわ。
母さんったら本当に過保護なんだから…
おばあちゃん!はい、これ、うちで採れたいちご。」
フィーネは、祖母の前にいちごでいっぱいのかごを差し出した。
祖母は真っ赤ないちごの山に、顔をほころばせる。
「ありがとうね、フィーネ。
こんなにたくさんあるんだったら、ジャムでも作ろうかねぇ…」
「えっ!いちごのジャム?
おばあちゃん!私にジャムの作り方を教えてちょうだい!
おばあちゃんのジャムは母さんのより美味しいんだもの、きっと何か作り方が違うんだとずっと思ってたの!」
「そりゃあ良いけど…遅くならないかい?」
「大丈夫よ!
さぁ、今から作りましょうよ!」
フィーネに急きたてられるようにして、二人は台所へ向かった。
テーブルの上にいちごを広げ、久しぶりに出会った二人は他愛ない会話をしながらいちごジャム作りに取りかかった。
「おかしいわね。
材料は母さんと同じなのに、どうしておばあちゃんの作ったジャムの方がおいしいのかしら?」
「それは、きっと煮詰め具合か砂糖の分量だろうね。
いちごによって微妙に変えてるからね。
それだけの違いだよ。」
そう言うと、祖母はいちごを手に取り口の中に放りこんだ。
「今年のはとっても甘いね!」
祖母は、いちごをフィーネの目の前に差し出し、二人は甘いいちごを次々に頬張った。
「おばあちゃん、こんなに食べてたらジャムが出来なくなっちゃうわ!」
「そうだね…味見はもうこのくらいにしとこうね。」
二人は顔を見合わせて微笑んだ。
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