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ルカ(聖夜月ルカ)

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069. 空の贈り物

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「ううん、もう良いのよ。
皆と離れるのは寂しいけど、仕方ないことだわ。
きっと、これが私の運命だったんだから…」

「ノルン~~!そんなこと言っちゃだめ!」

「ねぇ、守護天使さん。
もしかして、ここって天国?」

「どうしてわかったの?」

「やっぱりそうなんだ…
なんかそんな気がしたのよ。
すごく落ち着くんだもん。」

「でも、ここは正確には地上と天界の境目なの。」

「そっか~…
私、まだ完全に死んだわけじゃないもんね。
あ~あ、でも、こんなことならもっとおしゃれしとくんだった。
ほしいものもたくさんあったのに、私、我慢ばっかりして…」

「そうよね、ノルンはけっこう倹約家だもんね。
そういえば、パパに買ってもらった水色のワンピースも旅行の時には着て行かなかったわよね。
お天気が悪かったから汚しちゃもったいないって思ったのね。」

「その通りよ。さすがは私の守護天使ね。
それにしても悔しいわ!
一度でも着とくんだった!
あのワンピースを着て、そして綺麗なネックレスでも買って…」

「…ノルン、それがもう出来ないと決まったわけじゃないわよ。」

「気を遣ってくれなくても良いのよ…
守護天使さんは優しいのね…」

「ノルン…」

§§§§§§§§§§§§§§§§§§

「ノルン、お友達が来て下さったわよ!」

「ノルン、どうしてこんなことに…」
「ノルン…早く元気になって!」
「ノルン!目を覚ましてよ~!!」

ノルンの友達は、涙をこぼしながら、眠り続けるノルンに思い思いの言葉をかけた。

次の日には近所の人が…そのまた次の日には、先生が…

毎日、毎日、ノルンの所にはお見舞いに訪れる人が絶えなかった。

§§§§§§§§§§§§§§§§§§

「守護天使さ~ん!いないの~?」

「ここよ~~~!」

声のする方を見てみると、そこは高い高い雲の上だった。

「ノルンも来る~?」

「どうやってそこまで行くの~?」

「あ、そっか。ノルンは飛べないのね。
ちょっと待ってね!今、はしごを降ろすから…」

高い雲の間から、長い長い光のはしごがするすると降りてきた。

ノルンははしごを上っていく。
長い長い光のはしごを…

「ノルン!お疲れ様!」

「すごく高い所ね!
落ちたらどうしようって、心配しちゃった。」

「大丈夫よ。
ここは落ちてもなんともならないわ。
なんなら、今、落ちてみる?」

「いやよ。今、やっと上ってきた所ですもの。
それにしてもとっても綺麗な所ね!」

そこには深く鮮やかな青が一面に広がっていた。 


 
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