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ルカ(聖夜月ルカ)

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067. 手紙

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(あんなショボい男が、なぜ、あんな美人と…?)

きっと、すれ違う人々はそんな風に考えているに違いないと幸治は思った。



「ねぇ、亜里沙…
僕みたいにショボい男と一緒に歩いてて恥ずかしくない?」

「そんなこと考えたことないよ。
だって、あたしは幸治の性格が好きなんだもん。
外見なんて関係ないよ!」

(…なんて良い子なんだろう…)

亜里沙のその言葉はとても嬉しいものだったが、「外見なんて関係ない」という言葉が妙に頭の中に残った。



(それって、やっぱり「かっこ良くない」ってことだよな…)

「幸治、どうしたの?」

「いや…あのさ、僕にはどういう格好が似合うと思う?
亜里沙はどういう服装が好きなの?」

「そうね…幸治はだらしない格好よりきっちりしたスーツなんかが似合うと思うよ。
っていうか、あたしがスーツ好きなだけ?
スーツの似合う人って、なんかそれだけで仕事が出来そうって感じで、格好良いよねぇ…」

「スーツかぁ…」

普段から工場で作業をしている自分に本当にスーツなんか似合うんだろうか?
そう思いつつも、いつもTシャツにジーパンの自分がそんな風に言われたことが幸治には少し嬉しく感じられた。



「亜里沙、スーツっていくらくらいするのかな?」

「幸治、スーツがほしいの?
それなら、あたしの知り合いに頼んであげるよ!
その店なら良いものを安くで買えるよ!
安いスーツってすぐにわかるから、スーツはやっぱりそれなりのものじゃないとね。
そうだ!今から行ってみようよ!」

「え…そんな急がなくても…」

「良いから、良いから。
善は急げって言うじゃん!」







「そ…そんな高いもの…とても無理です…」

亜里沙に連れられて行った店で、幸治は何着かのスーツを着せられた。
似合ってるのかどうか自分ではよくわからなかったが、亜里沙も店員もとても誉めてくれた。
誉められるうちについその気になった幸治は、その中でも特に気に入ったスーツの値段を尋ね、その瞬間、目の玉が飛び出しそうになった。
なんとそのスーツは85万円だというのだ。

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