Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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065. 黄昏

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「間違いない!
この地図に描かれているのは、ここだ!
マザークロスだ!」

次の日の夜遅く、俺達はマザークロスに着いた。
一つ手前の町の途中から描かれた地図通りの場所に、マザークロスはあった。
やっぱり、この地図が示していたのはマザークロスだったんだ!
これでようやく俺もこの不便な生活から解放される…!
昨日は、野宿だったから本当に心配した。
神経質だから近くに人がいたら眠れないと言い張って、ランスロットとは離れて眠った。
それでも、早起きなあいつが先に起きてちっちゃくなってる俺をみてしまったら大変だって気になって、結局、ほとんど眠れなかったんだから。



「ルークさん、ありがとうございます。
こんなに早く辿りつけたのも、すべてはあなたのおかげです。」

ランスロットという男は一緒に行動していると、本当に素直で真面目な男だということがわかった。
こいつなら、俺が小人にかけられた魔法のことを話しても大丈夫なんじゃないかって気がして来てた。
でも、本当のことを話すきっかけが掴めない。
もやもやした気持ちを抱えたまま、その晩は宿屋で眠った。
ランスロットに会って以来、路銀も全部奴に任せてるっていうのに…俺って悪い奴だと考えながら…



次の朝早くに、俺達は地図にある赤い×印の場所へ向かった。
そこは町のはずれっていうのか、山に続く森の中だった。
×印に近付くに連れ、森は深くなっていく。



「ここだ。
地図を見る限り、このあたりのはずだ!
なにか怪しいものがないか、慎重に調べるんだ!」

俺が言葉を言いきる前に、ランスロットは腰をかがめ、木の根元を調べていた。



「もうなにかみつけたのか?」

「いえ…でも、小人の村っていうくらいですから、やはり低い位置にあるのではないかと思いまして…」

「あ~……」

言われてみればその通りだ。
本当にそうかどうかはまだわからないとしても、奴の論理的な思考に俺は感心してしまった。
こんなにかっこよくて金持ちで、その上、脚が長くて真面目で頭が良いんだから、一つくらい大きな欠点があっても文句は言えないぞ!
心の中でそんなつまらない嫉妬をしながら、俺は、奴の真似をして下の方を重点的に探して歩いた。
……しかし、何時間経っても、二人共何一つあやしいものはみつけることが出来なかった。
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