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ルカ(聖夜月ルカ)

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「う~ん…」

「おやおや、お困りのようですね。」

「ええ…
あらためて考えてみるとほしいものって、本当にたくさんあるものですね。」

「そうかもしれませんね。
でも、それは本当に必要だからほしいものですか?
もしかしたら、今、手元にないからほしいと感じてるだけかもしれませんよ。」

「……なるほど…そう言われたらそうなのかもしれません…
でも、そんなことを言われたら、ますますわからなくなってきますわ。」

「そうですね。
まぁ、気がすむまでゆっくり考えて下さい。
時間はたっぷりありますから。
…今、お茶を煎れて来ますね。」

キリーは店の奥へと消えて行った。

(お茶まで出してくれるなんて、キリーさんって良い人だわ…
でも、いくら時間はたっぷりあるって言ったって…)



あ…



「キリーさん!キリーさん!!」

「お客さん、どうしました?!」

「キリーさん!
今、思い付いたんですが、『時間』なんてどうでしょう?
時間だったら、皆さん、喜んで下さるんじゃないでしょうか?!」

「時間…そうですね…
それも良いかもしれませんね。
きっと、あなたは、毎日『時間が足りない!』と感じてらっしゃるんでしょうね。
……ですが、その逆の方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
たとえば、毎日、やることがなくて退屈だ、退屈だと思ってらっしゃる方…
もしくは、なにかとても悲しいことや傷付いたことがあった方、痛かったり苦しい想いをしている方…
そういう方々は、もしかしたら、陽が沈み、眠る時間になるのを待ちこがれながら毎日を過ごしてらっしゃるのかもしれませんよ…
眠っている時だけはいろんなことを忘れられたりもしますからね。」

「…………」

「あ、すみません。
別にケチをつけているわけではないんですよ。
ポイント交換は『時間』にしますか?」

「…いえ…もう少し考えてみます。」 

 
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