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ルカ(聖夜月ルカ)

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059. 明けの明星

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「ミシェルがそれをやめればお前だけではない。
あの可愛い息子も死んでしまうのだぞ…」

「アシュリーをどこにやった!」

「地下の倉庫だ…
心配するな。食べるものは与えてある。
……死なない程度にな。」

「あんな所に…!
出してくれ!
あの子は繊細な子なんだ。
あんな暗い所に閉じこめていたら、あの子の心は壊れてしまう!」

「死んでしまうよりマシではないか。
なぁに、そのうち慣れるさ…子供と言う者は意外に強い者だぞ。」

「ま、待ってくれ!ルシファー!」

「安心しろ。
お前のことはずっと世話してやる…
簡単に殺しなどしない…ふふふふふふ…」



それから、毎日、ミシェルは男を教会に連れこんでは金をもらった。
そんな噂はすぐに町に広まり、教会には、ミシェルの客以外には誰も訪れるものはなくなっていった…



瞬く間に、数年の時が流れた。



「この女の精神はもうそろそろ限界のようだな。
お前と同様に、相当頑固な女だ。
いいかげん、現実を受け入れて楽しめば良いものを…」

「頼む…ルシファー…私のことは好きにすれば良い。
だが、妻と子だけはもう解放してくれ!
もう存分に痛めつけただろう?
どうかもう許してくれ…!」

「冗談を言うな。
まだあれからほんの数年が経っただけではないか。
私のあの完璧な身体を奪った罰がこのくらいのことで消えると思うのか…?
それにしてもこんなにもたないとはな…」

「どうしても許してはくれないのか…?」

「当たり前だ。」

「………」



それから、パトリックの身体は急激に衰弱していった。

そして、ある寒い雪の日…
パトリックは逝った…雪の降る音よりもひそやかに…



「……なんということだ…
こんなにも早いとは…
しかも、愛する妻や子を残して逝ってしまうとは…おまえは自分だけ楽になろうとする卑怯者だ。」

パトリックの死を知ったミシェルは激しく取り乱した。



(これはまずいな…意識を押さえるのが面倒だ。)



「よう、ミシェル!いるか?」

ひょっこりと顔を見せたのは、常連客のサミュエルだった。

(都合の良い所に来てくれたもんだ。
しばらく、お前の身体を借りるぞ…)



ルシファーがミシェルの身体を離れた時、ミシェルの身体もその命の灯火を消した…



(それにしても醜い器だな。
なるべく早くに、もう少し、マシなものを見つけなければ…)
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