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055. 新種生物発見!
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「カッパー、そんなに走っちゃ転びますよ!」
「転ばないよ~だ!
ニョロンちゃんは、本当に足が遅いなぁ…
早く、ここまでおいでよ~!」
「まぁ、カッパーったら、憎たらしいことを言ってくれるわね!」
ニョロンは村長の家のベビーシッターとして働いていた。
村長夫妻の子供は、元気盛りの3歳の男の子・カッパーだ。
カッパーは、ニョロンにとてもよく懐いていた。
両親が仕事で忙しく、カッパーにかまってくれる時間があまりなくても、ニョロンのおかげでカッパーは寂しさを感じることはなかった。
「カッパー!
お水の中に入ってはだめよ。
あなたは、まだ泳げないんだから。」
「僕も早くみんなみたいにすいすい泳げるようになりたいなぁ。
そして、外の世界にも行ってみたい…」
「あなたはカッパなんだから、もう少し大きくなったら自然に泳げるようになりますよ。
でも、外の世界には、怖い人間がいっぱいいるって話ですよ。」
二人は、水辺に並んで座り、泉の中のぐるぐるを眺めていた。
あのぐるぐるこそが、外の世界への通り道なのだ。
「ふ~ん、そうなんだ。
でも、大丈夫!僕、強いもん!
悪い人間なんて、僕がやっつけちゃうよ!
あ、お魚さんだ!
お魚さん!こっち向いてよ!お魚さん!
……あ…!!」
魚に気を取られて立ち上がったカッパーがバランスを崩し、カッパーの小さな身体はそのまま水の中に落ちていった。
「きゃあ~~!
か、カッパーが…
だれか…誰か来て~~!!」
ニョロンは声を限りに叫んだが、あいにくと、あたりにカッパは一人もいなかった…
「ぐ、苦しい…
た…助けて…ニョ…ニョロンちゃん!」
必死でもがくカッパーの顔が水面に浮いたり沈んだりしている。
「カッパー!
今、行きますからね!」
自分が泳げないことはわかっていたが、カッパーをこのままにしておくわけにはいかない。
ニョロンは意を決し、泉の中に飛び込んだ…!
「転ばないよ~だ!
ニョロンちゃんは、本当に足が遅いなぁ…
早く、ここまでおいでよ~!」
「まぁ、カッパーったら、憎たらしいことを言ってくれるわね!」
ニョロンは村長の家のベビーシッターとして働いていた。
村長夫妻の子供は、元気盛りの3歳の男の子・カッパーだ。
カッパーは、ニョロンにとてもよく懐いていた。
両親が仕事で忙しく、カッパーにかまってくれる時間があまりなくても、ニョロンのおかげでカッパーは寂しさを感じることはなかった。
「カッパー!
お水の中に入ってはだめよ。
あなたは、まだ泳げないんだから。」
「僕も早くみんなみたいにすいすい泳げるようになりたいなぁ。
そして、外の世界にも行ってみたい…」
「あなたはカッパなんだから、もう少し大きくなったら自然に泳げるようになりますよ。
でも、外の世界には、怖い人間がいっぱいいるって話ですよ。」
二人は、水辺に並んで座り、泉の中のぐるぐるを眺めていた。
あのぐるぐるこそが、外の世界への通り道なのだ。
「ふ~ん、そうなんだ。
でも、大丈夫!僕、強いもん!
悪い人間なんて、僕がやっつけちゃうよ!
あ、お魚さんだ!
お魚さん!こっち向いてよ!お魚さん!
……あ…!!」
魚に気を取られて立ち上がったカッパーがバランスを崩し、カッパーの小さな身体はそのまま水の中に落ちていった。
「きゃあ~~!
か、カッパーが…
だれか…誰か来て~~!!」
ニョロンは声を限りに叫んだが、あいにくと、あたりにカッパは一人もいなかった…
「ぐ、苦しい…
た…助けて…ニョ…ニョロンちゃん!」
必死でもがくカッパーの顔が水面に浮いたり沈んだりしている。
「カッパー!
今、行きますからね!」
自分が泳げないことはわかっていたが、カッパーをこのままにしておくわけにはいかない。
ニョロンは意を決し、泉の中に飛び込んだ…!
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