321 / 697
048. 追走劇
3
しおりを挟む
「どうかしたのか?」
「……なんでもないよ。
さぁ、早く行こう…」
ジェシカとクリントは道具屋で緑色の宝石を売った。
宝石はとても上質のものらしく、思っていた以上の値で引き取られた。
「すごいじゃないか!
あれ1個でこんな高値になるとはなぁ…
あんたはやっぱり俺にとって最高のパートナーだ!」
「……最高のパートナーねぇ…」
「なんだよ、さっきからなんかおかしいぞ。
何かあったのか?」
「何もないよ。
ただ、ちょっと二日酔いなだけさ。
そういや、朝からまだ何も食べてなかったね。
宿で何か食べようよ。」
「そうだな。」
宿に戻った二人は、のんびりと昼食を採った。
「なぁ、今度はどこに行く?」
「そうだねぇ…特にあてはないんだけど、どうしようか?」
「俺も今はこれと言って、ネタはないんだよなぁ…」
そんな会話をしていると、宿の主人が二人に熱いコーヒーを運んで来た。
「あ、親父さん、このあたりでお宝の話を聞いたことはないかい?」
「お宝かい?
それならこの近くにあるにはあるんだが、誰も手掛かりさえみつけだしちゃいないから、ガセネタかもしれないけどね。」
「それはどんな話なんだい?
教えておくれよ!」
「この近くの山に虹の宝が埋まってるって話なんだ。
なんでも、虹をそのまま宝石にしたような7色の宝石が…」
「親父さん、それならもうないよ。」
ジェシカはにこりと微笑んだ。
「もうない?なんでそんなことがわかるんだい?」
「だって、そのお宝は昨日私達が掘り出したからね!」
「ま、まさか…!」
「本当さ!」
ジェシカは、懐から3つの宝石をとリ出して見せた。
「これが、虹の宝石…?」
「そうさ、あと3つはこの人が持ってる。
緑のはついさっき道具屋に売って来たよ。」
そう言って微笑むジェシカの前でクリントが苦々しい顔をしていることに、ジェシカは気付いていなかった。
「虹の宝石が本当にあったとは驚きだ!
しかし、すでにみつかったとなるとアーロンさんはがっかりするだろうなぁ…」
「誰なんだい?そのアーロンっていうのは…」
「長い間、虹の宝石を探してる人さ。
なんでも、その宝石は元はといえばアーロンさんの家の物で、盗まれたんだと。
で、最初はアーロンさんの親父さんが探していたが見つけられないまま死んでしまったらしく、アーロンさんはそのあとを継いだってことらしいんだ。」
「へぇ…そんな人がいたのか…」
その時、宿のカウンターの方に大きな声が響いた。
「……なんでもないよ。
さぁ、早く行こう…」
ジェシカとクリントは道具屋で緑色の宝石を売った。
宝石はとても上質のものらしく、思っていた以上の値で引き取られた。
「すごいじゃないか!
あれ1個でこんな高値になるとはなぁ…
あんたはやっぱり俺にとって最高のパートナーだ!」
「……最高のパートナーねぇ…」
「なんだよ、さっきからなんかおかしいぞ。
何かあったのか?」
「何もないよ。
ただ、ちょっと二日酔いなだけさ。
そういや、朝からまだ何も食べてなかったね。
宿で何か食べようよ。」
「そうだな。」
宿に戻った二人は、のんびりと昼食を採った。
「なぁ、今度はどこに行く?」
「そうだねぇ…特にあてはないんだけど、どうしようか?」
「俺も今はこれと言って、ネタはないんだよなぁ…」
そんな会話をしていると、宿の主人が二人に熱いコーヒーを運んで来た。
「あ、親父さん、このあたりでお宝の話を聞いたことはないかい?」
「お宝かい?
それならこの近くにあるにはあるんだが、誰も手掛かりさえみつけだしちゃいないから、ガセネタかもしれないけどね。」
「それはどんな話なんだい?
教えておくれよ!」
「この近くの山に虹の宝が埋まってるって話なんだ。
なんでも、虹をそのまま宝石にしたような7色の宝石が…」
「親父さん、それならもうないよ。」
ジェシカはにこりと微笑んだ。
「もうない?なんでそんなことがわかるんだい?」
「だって、そのお宝は昨日私達が掘り出したからね!」
「ま、まさか…!」
「本当さ!」
ジェシカは、懐から3つの宝石をとリ出して見せた。
「これが、虹の宝石…?」
「そうさ、あと3つはこの人が持ってる。
緑のはついさっき道具屋に売って来たよ。」
そう言って微笑むジェシカの前でクリントが苦々しい顔をしていることに、ジェシカは気付いていなかった。
「虹の宝石が本当にあったとは驚きだ!
しかし、すでにみつかったとなるとアーロンさんはがっかりするだろうなぁ…」
「誰なんだい?そのアーロンっていうのは…」
「長い間、虹の宝石を探してる人さ。
なんでも、その宝石は元はといえばアーロンさんの家の物で、盗まれたんだと。
で、最初はアーロンさんの親父さんが探していたが見つけられないまま死んでしまったらしく、アーロンさんはそのあとを継いだってことらしいんだ。」
「へぇ…そんな人がいたのか…」
その時、宿のカウンターの方に大きな声が響いた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
最愛から2番目の恋
Mimi
恋愛
カリスレキアの第2王女ガートルードは、相手有責で婚約を破棄した。
彼女は醜女として有名であったが、それを厭う婚約者のクロスティア王国第1王子ユーシスに男娼を送り込まれて、ハニートラップを仕掛けられたのだった。
以前から婚約者の気持ちを知っていたガートルードが傷付く事は無かったが、周囲は彼女に気を遣う。
そんな折り、中央大陸で唯一の獣人の国、アストリッツァ国から婚姻の打診が届く。
王太子クラシオンとの、婚約ではなく一気に婚姻とは……
彼には最愛の番が居るのだが、その女性の身分が低いために正妃には出来ないらしい。
その事情から、醜女のガートルードをお飾りの妃にするつもりだと激怒する両親や兄姉を諌めて、クラシオンとの婚姻を決めたガートルードだった……
※ 『きみは、俺のただひとり~神様からのギフト』の番外編となります
ヒロインは本編では名前も出ない『カリスレキアの王女』と呼ばれるだけの設定のみで、登場しておりません
ですが、本編終了後の話ですので、そちらの登場人物達の顔出しネタバレが有ります
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

婚約破棄を告げた瞬間に主神を祀る大聖堂が倒壊しました〜神様はお怒りのようです〜
和歌
ファンタジー
「アリシア・フィルハーリス、君の犯した罪はあまりに醜い。今日この場をもって私レオン・ウル・ゴルドとアリシア・フィルハーリスの婚約破棄を宣言する──」
王宮の夜会で王太子が声高に告げた直後に、凄まじい地響きと揺れが広間を襲った。
※恋愛要素が薄すぎる気がするので、恋愛→ファンタジーにカテゴリを変更しました(11/27)
※感想コメントありがとうございます。ネタバレせずに返信するのが難しい為、返信しておりませんが、色々予想しながら読んでいただけるのを励みにしております。

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
いずれ最強の錬金術師?
小狐丸
ファンタジー
テンプレのごとく勇者召喚に巻き込まれたアラフォーサラリーマン入間 巧。何の因果か、女神様に勇者とは別口で異世界へと送られる事になる。
女神様の過保護なサポートで若返り、外見も日本人とはかけ離れたイケメンとなって異世界へと降り立つ。
けれど男の希望は生産職を営みながらのスローライフ。それを許さない女神特性の身体と能力。
はたして巧は異世界で平穏な生活を送れるのか。
**************
本編終了しました。
只今、暇つぶしに蛇足をツラツラ書き殴っています。
お暇でしたらどうぞ。
書籍版一巻〜七巻発売中です。
コミック版一巻〜二巻発売中です。
よろしくお願いします。
**************

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる