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047. 大ピンチ!
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「エンパナーダ!エンパナーダ!!」
エンパナーダは洞窟の奥の渦巻きの前で前足を伸ばした途端、その渦の中に吸い込まれて行ってしまった…
本当にあっという間の出来事で、僕にはどうすることも出来なかった。
「た、た、大変だ…!
どうしよう!?」
僕は、すぐにエンパナーダの後を追いかけようと思って、渦の方へ手を伸ばしかけて、はっと我に返った。
そうだ!エンパナーダが渦に入ってどうなったかわからないのに、その後を追うのは危険だ!
もしかしたら、渦の近くに何かないかと僕は注意深く探してみたけど、変わったものは何もみつからなかった。
洞窟の奥には、とにかくその渦しかなかったんだ。
仕方がない!
ここは、村に戻って大人に相談するしかない!
僕は、封印の洞窟を出て村に戻った。
村に着いて、僕はすぐに長老の所へ向かった。
でも、長老の家の近くで急に足が止まった。
(封印の洞窟に行ったなんてことがバレたら、大変なことになるぞ…
今度は絶対に草むしりなんかじゃ許してもらえない!
きっと、ものすごくきつい罰を受けるに決まってる…
どうしよう…
一体、どんな罰を受けるんだろう?)
そんなことを考えてると、僕は足がすくんでそこから先に進めなくなってしまった。
(どうしよう…
でも、そうかといって、エンパナーダのことをこのままにはしておけない…
だいたい、エンパナーダが悪いんだ!
あんな所に行こうなんて言い出すから…
行っちゃいけないって言われてるのに、あんな所に行ったからこんな大変なことになったんだぞ!
それにしても、エンパナーダは今頃どうなってるんだろう…?
あの渦の中はどうなってるんだろう?
……ま、まさか、あの渦の中でバラバラになったりなんかしてないよな…)
ふと、そんなことを考えてしまった僕の脳裏には、バラバラになったエンパナーダの悲惨な姿が思い浮かんだ。
(そ、そ、そんな…!!)
僕は手足がガタガタと震えてくるのを感じた。
(ど、ど、どうしよう!?
まさか、そんなことになってたら…
僕は猫殺しってことになるのかな?!
いくら、あそこへ行こうって言い出したのはエンパナーダだっていったって、僕が止めなかったせいもあるんだから…
もしも、そうなったら、僕も罰としてエンパナーダと同じくあの渦の中に入れられて、バラバラに…?!)
僕は恐ろしさと不安から涙が零れてきた。
頭の中は混乱してしまって、もう何をどうしたら良いのかわからない。
僕は泣きながら家に帰り、鍵をかけて部屋の中にひきこもった。
エンパナーダは洞窟の奥の渦巻きの前で前足を伸ばした途端、その渦の中に吸い込まれて行ってしまった…
本当にあっという間の出来事で、僕にはどうすることも出来なかった。
「た、た、大変だ…!
どうしよう!?」
僕は、すぐにエンパナーダの後を追いかけようと思って、渦の方へ手を伸ばしかけて、はっと我に返った。
そうだ!エンパナーダが渦に入ってどうなったかわからないのに、その後を追うのは危険だ!
もしかしたら、渦の近くに何かないかと僕は注意深く探してみたけど、変わったものは何もみつからなかった。
洞窟の奥には、とにかくその渦しかなかったんだ。
仕方がない!
ここは、村に戻って大人に相談するしかない!
僕は、封印の洞窟を出て村に戻った。
村に着いて、僕はすぐに長老の所へ向かった。
でも、長老の家の近くで急に足が止まった。
(封印の洞窟に行ったなんてことがバレたら、大変なことになるぞ…
今度は絶対に草むしりなんかじゃ許してもらえない!
きっと、ものすごくきつい罰を受けるに決まってる…
どうしよう…
一体、どんな罰を受けるんだろう?)
そんなことを考えてると、僕は足がすくんでそこから先に進めなくなってしまった。
(どうしよう…
でも、そうかといって、エンパナーダのことをこのままにはしておけない…
だいたい、エンパナーダが悪いんだ!
あんな所に行こうなんて言い出すから…
行っちゃいけないって言われてるのに、あんな所に行ったからこんな大変なことになったんだぞ!
それにしても、エンパナーダは今頃どうなってるんだろう…?
あの渦の中はどうなってるんだろう?
……ま、まさか、あの渦の中でバラバラになったりなんかしてないよな…)
ふと、そんなことを考えてしまった僕の脳裏には、バラバラになったエンパナーダの悲惨な姿が思い浮かんだ。
(そ、そ、そんな…!!)
僕は手足がガタガタと震えてくるのを感じた。
(ど、ど、どうしよう!?
まさか、そんなことになってたら…
僕は猫殺しってことになるのかな?!
いくら、あそこへ行こうって言い出したのはエンパナーダだっていったって、僕が止めなかったせいもあるんだから…
もしも、そうなったら、僕も罰としてエンパナーダと同じくあの渦の中に入れられて、バラバラに…?!)
僕は恐ろしさと不安から涙が零れてきた。
頭の中は混乱してしまって、もう何をどうしたら良いのかわからない。
僕は泣きながら家に帰り、鍵をかけて部屋の中にひきこもった。
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