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ルカ(聖夜月ルカ)

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045. ヤマタノオロチ

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期待に胸を膨らませてやっとたどり着いたその国は、ロディが幼い頃に見た映画とはやはりまるで違っていた。

その国の人々は、ロディの国の人々とほとんど変わりない服装をしている。
街並みもあまり変わらない。
侍はもちろん見掛けなかったが、これは彼にとっては最初から予想出来ていたこと。

侍達は隠れているのだから…

ロディはこの国でまず、侍の魂である刀を手にいれることを考えていた。

もちろん、然るべき店に行けば刀は簡単に手に入る。
しかし、それではいけない。
自分が本気で侍の仲間に入りたいと思っていることを示すためにも、普通の方法で手にいれたものでは駄目なのだ。

幾多の困難を乗り越えて手に入れた刀でなくては…!

そのための勉強も、ロディは怠らなかった。
様々な文献を調べているうちに、彼は心ひかれる剣をみつけた。

「天叢雲剣」

まずは、この難しい文字にひかれた。
こんな難しい文字の剣なら、さぞかし素晴らしいものに違いない!
ロディがさらに天叢雲剣について調べると、この剣こそが自分の求めていた剣だと思えてきたのだ。

なにしろ、この刀は、「ヤマタノオロチ」と呼ばれるとんでもなく馬鹿でかいドラゴンの尻尾に入っていたものだということだから。
このドラゴンは頭が8つもあり、若い女を食べるらしい。

このモンスターを倒して、天叢雲剣を手に入れるのだ!
こんなモンスターを倒したということがわかれば、侍達も自分のことを認めてくれるはず!

ロディの心は決まった!

その昔、ヤマタノオロチを倒したのはどこかの神様で、8つの首に酒を飲ませてオロチ達が酔った所をやっつけたらしいのだが、自分ならそんな手を使わなくとも真っ向勝負して手に入れられる自信がロディにはあった。
いや、それは完全なるロディの過信だったのだが…

そもそもヤマタノオロチがやっつけられたということを知っていながらなぜゆえにロディはここを目指したのか?
それは、ロディがこのあたりにはヤマタノオロチがたくさんいると思い込んでいたからだった。

 
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