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ルカ(聖夜月ルカ)

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041. 最後の審判

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次の日…
やはり、俺の思う通りになっていた。
 昨日、金がなくなったって新田が騒いでいたんだ。
 俺は、素知らぬ顔でその場を歩き去った。



 新田は諦める気はなさそうだった。
 「絶対に犯人をみつけてやる!」って、数人の友達と息巻いていた。



 昨日、教室にいた人を見なかったかって、新田たちは聞きまわっていた。
 後藤がおかしなことを言ったら、どう対応するか…
そのことを頭の中でシミュレーションする。



 「そういえば、後藤…昨日、遅く帰ってたんじゃないか?」

そう言ったのは徳田だった。



 「え?あ、あぁ…ちょっと図書室で本を探してて…それで遅くなって…」

 皆の視線が、後藤に集まった。



 「そう言えば、後藤ん家…母子家庭だったよな。
 兄弟もいっぱいいて…」

 「そう…だけど…」

その時、新田が、後藤の鞄を持ち上げた。



 「あっ!」

 後藤は声を上げたが、新田はそんな声は無視して鞄の中を探る。
そして、今度は後藤を押し退け、机の中を引っ掻き回した。



 「あった!」

 「えっ!?」

 新田は財布の中を確認する。



 「おい、後藤!金、どうしたんだよ!」

 「え…僕…お金なんて知らない。」

 「じゃあ、この財布が勝手におまえの机の中に入ったっていうのかよ?
 返せよ!俺の一万円!」

 「僕…そんなお金は知らないよ。
その財布がなぜ机に入ってたのかも知らないよ。」

 「往生際の悪い奴だな!
 先生に言いつけてやるから、一緒に来いよ!」

 後藤は、新田とその友達に連れられ、職員室に向かって行った。



みつからなくて良かった…
だけど、まだわからない。
 職員室で、後藤は俺のことを話すかもしれない。
 俺はしらを切り通すつもりではあったけど、それでも心の中は落ち着かなかった。



 意外なことに、新田は俺のことを話さなかったようで、俺は呼び出されることはなかった。
その日以来、後藤はクラスの嫌われ者となり、あからさまに虐められているようだった。



 俺は、後藤に罪をなすりつけたことで助かったけど、確かに気分は良くなかった。
なぜ、俺は金を取ってしまったんだろう…
そんなことさえしなければ、こんな嫌な気分は味わわずに済んだのに…

 
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