Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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035. 廃坑の秘密

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「ロッシー、ラルシュはもう出て来たよ。」

「そうか、そら良かった。
きっとこの固い石が邪魔……あれ…」

ロッシーは、足元の石を拾い上げ、土を払い除けて眺め始めた。



「……ロッシー、どうかしたの?」

「えらいこっちゃ!
これ、ダイヤやで!」

ロッシーが興奮した声を上げた。







「ほな、ケンタロウ、頼んだで。」

「あぁ、任せときな!
すぐ戻って来るからな!」

ケンタロウは風のように駆け出した。

みつかったダイヤは、ロッシーがヨハンにあげようと言い出して、ケンタロウはそれを持ってヨハンの家に行ったんだ。
ロッシーは、そのダイヤに「お父さんからの贈り物です。」と短いメッセージを付けていた。
今は二人共、野菜を売りに行ってるから、戻って来てそれを見たらきっと驚くだろうね。
やっぱりロッシーは優しくて良い人だなって僕が温かいものを感じていると、後ろの方で騒がしい声が聞こえた。
ラルシュとフェリーシアが、どっちが妖精界一の鼻つまみかを言い争ってる。




「とかやん、どないしたんや、溜め息なんか吐いて…」

「……なんでもないよ。」

僕は、妖精の声が聞こえないロッシーがとても羨ましい気分だった。
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