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032. 指輪
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「たったこれだけのことで、もう売り物にならないんですか?」
「もちろんですよ。
これだけとはいっても、このせいでこれはもう傷物ですから。」
「じゃ、じゃあ…私に譲ってもらえませんか?」
「いえ、先ほども申しました通り、これはもう売り物では…」
「お願いです!どうか、このドレスを私に譲って下さい!」
店長はシルヴィの熱意に根負けし、シルヴィはピンク色のドレスを定価の3分の1という破格の値段で手にすることが出来た。
家に戻ると、シルヴィは早速小さな綻びを直し、鏡の前でドレスを身に付けた。
(素敵!いつもの私とはまるで別人みたいだわ。
しかもこんなに安くで譲ってもらえるなんて…
すごいわ!やっぱりあなたのおかげなのね!)
シルヴィは七色の指輪に愛しそうに頬ずりをした。
シルヴィは、ドレスをにアイロンをかけ、いつもより時間をかけて入浴を済ませると、ベッドに横になった。
(どうしたのかしら?なんだか寒気がするわ…それに、気分も悪い…
風邪かしら…困ったわ。明日はダンスパーティだって言うのに…)
その夜、シルヴィは激しい高熱と頭痛に襲われ、眠れない夜を過ごした。
万一熱が下がらなかったとしても、ダンスパーティには這ってでも行く覚悟のシルヴィだったが、幸いなことに夕方までにはなんとか熱も下がり、無事、出席することが出来た。
「シルヴィ!今日の君はとても綺麗だよ!」
エクトルと踊るシルヴィに、女性社員は、皆、羨望の眼差しを向けている。
(まるで夢みたい。
皆が私のことをあんなに羨ましそうな顔をして…
あぁ、それにエクトルがこんな近くに…
本当に夢みたい…!!)
幸せな一時はふだんよりもずっと早くに過ぎ去っていった。
次の日からはまたいつも通りの日々が始まった。
ダンスパーティの話もいつしか話題にも上らなくなっていた。
エクトルともあれ以来は挨拶程度にしかしゃべってはいない。
聞いた話によると、ダンスパーティの直前にエクトルとミネットはつまらないことで喧嘩をしたらしいが、その誤解も解け、元に戻りつつあるという。
(そんなのいや!
指輪さん…!私、エクトルとおつきあいがしたい!
ミネットになんて返したくないわ!)
シルヴィは、思わずそんなことを願っていた。
「もちろんですよ。
これだけとはいっても、このせいでこれはもう傷物ですから。」
「じゃ、じゃあ…私に譲ってもらえませんか?」
「いえ、先ほども申しました通り、これはもう売り物では…」
「お願いです!どうか、このドレスを私に譲って下さい!」
店長はシルヴィの熱意に根負けし、シルヴィはピンク色のドレスを定価の3分の1という破格の値段で手にすることが出来た。
家に戻ると、シルヴィは早速小さな綻びを直し、鏡の前でドレスを身に付けた。
(素敵!いつもの私とはまるで別人みたいだわ。
しかもこんなに安くで譲ってもらえるなんて…
すごいわ!やっぱりあなたのおかげなのね!)
シルヴィは七色の指輪に愛しそうに頬ずりをした。
シルヴィは、ドレスをにアイロンをかけ、いつもより時間をかけて入浴を済ませると、ベッドに横になった。
(どうしたのかしら?なんだか寒気がするわ…それに、気分も悪い…
風邪かしら…困ったわ。明日はダンスパーティだって言うのに…)
その夜、シルヴィは激しい高熱と頭痛に襲われ、眠れない夜を過ごした。
万一熱が下がらなかったとしても、ダンスパーティには這ってでも行く覚悟のシルヴィだったが、幸いなことに夕方までにはなんとか熱も下がり、無事、出席することが出来た。
「シルヴィ!今日の君はとても綺麗だよ!」
エクトルと踊るシルヴィに、女性社員は、皆、羨望の眼差しを向けている。
(まるで夢みたい。
皆が私のことをあんなに羨ましそうな顔をして…
あぁ、それにエクトルがこんな近くに…
本当に夢みたい…!!)
幸せな一時はふだんよりもずっと早くに過ぎ去っていった。
次の日からはまたいつも通りの日々が始まった。
ダンスパーティの話もいつしか話題にも上らなくなっていた。
エクトルともあれ以来は挨拶程度にしかしゃべってはいない。
聞いた話によると、ダンスパーティの直前にエクトルとミネットはつまらないことで喧嘩をしたらしいが、その誤解も解け、元に戻りつつあるという。
(そんなのいや!
指輪さん…!私、エクトルとおつきあいがしたい!
ミネットになんて返したくないわ!)
シルヴィは、思わずそんなことを願っていた。
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