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031. 勝つために手段は選ばない
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ヨンヨンがばあちゃんの家に来て5日程経った頃だった。
(……あれ…?)
縁側でばあちゃんと並んで豆をむいていると、庭をなにかが走り抜けたのをヨンヨンは見たような気がした。
あたりをきょろきょろと見まわしてみたが、何も変わった所はない。
(気のせいだったのかな?)
それから、また何日かした頃、夜中にどこからか糸車を回すような音が聞こえてヨンヨンは目を覚ました。
(なんだろう?)
耳を澄ましてみたが、もう何の音もしない。
(おかしいな。
夢だったのかな?)
特に気にすることもなく、ヨンヨンは再び眠りに就いた。
すると、またあの音が聞こえて来たのだ。
カラカラカラ…
(…あ、また、あの音…)
ヨンヨンは、カラカラという音を聞きながら眠りに落ちた…
「ねぇ、ばあちゃん、昨日、変な音聞かなかった?」
「変な音?」
「うん。カラカラカラっていう音…」
「ああ、それなら、きっとわらしちゃんじゃ。」
「わらしちゃん?」
「そうじゃ。わらしちゃんじゃ。
たまに遊びに来るんじゃよ。」
「夜中に?」
「そうじゃ。昼間も来るけど、真夜中に来る時もある。」
「人間の子供は夜も遊びに行って良いの?
夜は眠るんじゃないの?」
「わらしちゃんは、人間じゃないんじゃよ。」
「えっ!人間じゃないの?!
じゃ、妖精??」
「いや、妖精とも違う…」
「じゃ、何?」
「さて……なんじゃろうなぁ?」
ばあちゃんはそう言ってにっこり笑った。
(人間でも妖精でもない…
…ってことは……まさか『もぉ~』?!
…そんなわけないよね?
よし!ヨンヨン、今夜待ち伏せしてわらしちゃんを見てやるぞ!)
(……あれ…?)
縁側でばあちゃんと並んで豆をむいていると、庭をなにかが走り抜けたのをヨンヨンは見たような気がした。
あたりをきょろきょろと見まわしてみたが、何も変わった所はない。
(気のせいだったのかな?)
それから、また何日かした頃、夜中にどこからか糸車を回すような音が聞こえてヨンヨンは目を覚ました。
(なんだろう?)
耳を澄ましてみたが、もう何の音もしない。
(おかしいな。
夢だったのかな?)
特に気にすることもなく、ヨンヨンは再び眠りに就いた。
すると、またあの音が聞こえて来たのだ。
カラカラカラ…
(…あ、また、あの音…)
ヨンヨンは、カラカラという音を聞きながら眠りに落ちた…
「ねぇ、ばあちゃん、昨日、変な音聞かなかった?」
「変な音?」
「うん。カラカラカラっていう音…」
「ああ、それなら、きっとわらしちゃんじゃ。」
「わらしちゃん?」
「そうじゃ。わらしちゃんじゃ。
たまに遊びに来るんじゃよ。」
「夜中に?」
「そうじゃ。昼間も来るけど、真夜中に来る時もある。」
「人間の子供は夜も遊びに行って良いの?
夜は眠るんじゃないの?」
「わらしちゃんは、人間じゃないんじゃよ。」
「えっ!人間じゃないの?!
じゃ、妖精??」
「いや、妖精とも違う…」
「じゃ、何?」
「さて……なんじゃろうなぁ?」
ばあちゃんはそう言ってにっこり笑った。
(人間でも妖精でもない…
…ってことは……まさか『もぉ~』?!
…そんなわけないよね?
よし!ヨンヨン、今夜待ち伏せしてわらしちゃんを見てやるぞ!)
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