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ルカ(聖夜月ルカ)

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030. 不浄なる痕

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「お願いです!
どうか、早く犯人を…みおを殺した奴を見つけて下さい!」



 涙を流しそう絶叫するひかるは、気の毒な程、憔悴しきっていて…僕は、彼にかける言葉さえみつけられなかった。



 *



 「えっ!澪が…!」



 事件の一報を聞いたのは、クラスメイトの吉村からのLINEだった。



 『今、警察とかいっぱい来てる。
どうやら、澪…殺されたらしいんだ。』



 吉村は、澪や輝の家のすぐ傍に住んでいる。
だから、外の物々しい雰囲気にすぐに気付いたようだ。



 (信じられない…あの澪が…)



 僕は、輝と仲が良い。
 知り合ったのは中学に入学したての頃だから、かれこれ5年程の付き合いになる。
イケメンで明るく社交的で、勉強も運動も出来る彼は、中学の頃から人気者だった。
 僕は、そんな彼に憧れのようなものを抱いていたのかもしれない。
 彼は僕が持ってないものをたくさん持っているから。
 僕は、静かに本を読んだり、DVDで映画を見ることが好きな地味なタイプだ。
なぜ、そんな正反対とも言える僕達が親しくなったのか…いまだによくわからない。



 澪は、輝の双子の妹だ。
 双子とはいえ、そっくりという程ではない。
どこか、面影はあるのだけれど、顔も雰囲気も、それほど似てはいない。
 澪は、輝とは違う高校に通っていたけど、輝の家に遊びに行った時に何度か顔を合わせてたから、親しいとは言えないまでも、顔見知りには変わりなかった。
そんな澪が殺されたのだ。
 僕の心にも衝撃が走った。
すぐにでも輝と連絡を取りたかったけど、今はきっと立て込んでるに違いない。
それに、吉村の話が間違いじゃないとも言えない。
なんせ、まだニュースでも報道されていないのだ。
 僕は、とりあえず、輝からの連絡を待つことにした。
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