155 / 697
024. あなたに会いたい
5
しおりを挟む
飛ばないですむから楽なのかと思ったら、意外にも座りにくいことに気がついた。
セージは飛び跳ねるみたいに歩くから、何度も落っこちそうになる。
セージの家は森からすぐだった。
ばぁちゃんの家と同じような小さな家。
「天使様、そこで待ってて下さいね!
すぐに用意しますから。」
ヨンヨンは、丸い卓袱台の上に座って部屋の中を見まわした。
すっきりしてるっていうのか、何もないっていうのか…とても殺風景な部屋だった。
「お待たせ!天使様!
さぁ、でかけましょう!」
「ま、待って!もう準備できたの?」
「はい!持っていくものもそんなにありませんからね。」
「そうなの?じゃ…えっと、セージの会いたい人ってどんな人?」
「あぁ、そのことですか?
急なことだったので神様からお聞きになってないのですね。
実は…」
セージが探しているのは女の人だった。
セージは男、ばぁちゃんは女。
だから、きっとばぁちゃんみたいな人なんだとヨンヨンは思った。
それは先日のこと、セージが森で薪を拾っていると、だんだんと気分が悪くなってついには立ちあがれなくなったらしい。
前の日からなんとなく具合が悪かったのだがそれほどたいしたことはないと思いでかけた所、実際はかなり体調が良くなかったようだ。
家まではすぐなのに、とても歩けそうにない…
どうしたものかとセージが困っていると、綺麗な女性が現れてセージに肩を貸し家まで送ってくれたという。
しかも、それだけではなく、その晩は一晩中セージの看病をしてくれたというのだ。
セージはどうやら風邪で熱が出ていたらしい。
しかし、看病のおかげで朝には熱も下がり、おかゆを作ってもらってそれからまた眠っていたら、目が覚めた時にその女性はすでにいなくなっていたという。
「だから、お礼を言うことも出来なくて…
もう一度会って、ちゃんとお礼を言いたいのです。」
「ふぅ~ん、じゃ、その人も良い人間なんだね。」
セージの話を聞いて、ヨンヨンもその人に会いたくなって来た。
人間にも良い人がいっぱいいるってことが村の皆に証明出来るかもしれない。
「じゃ、でかけよう!
その人を探しに…!」
「はい!天使様!」
セージは飛び跳ねるみたいに歩くから、何度も落っこちそうになる。
セージの家は森からすぐだった。
ばぁちゃんの家と同じような小さな家。
「天使様、そこで待ってて下さいね!
すぐに用意しますから。」
ヨンヨンは、丸い卓袱台の上に座って部屋の中を見まわした。
すっきりしてるっていうのか、何もないっていうのか…とても殺風景な部屋だった。
「お待たせ!天使様!
さぁ、でかけましょう!」
「ま、待って!もう準備できたの?」
「はい!持っていくものもそんなにありませんからね。」
「そうなの?じゃ…えっと、セージの会いたい人ってどんな人?」
「あぁ、そのことですか?
急なことだったので神様からお聞きになってないのですね。
実は…」
セージが探しているのは女の人だった。
セージは男、ばぁちゃんは女。
だから、きっとばぁちゃんみたいな人なんだとヨンヨンは思った。
それは先日のこと、セージが森で薪を拾っていると、だんだんと気分が悪くなってついには立ちあがれなくなったらしい。
前の日からなんとなく具合が悪かったのだがそれほどたいしたことはないと思いでかけた所、実際はかなり体調が良くなかったようだ。
家まではすぐなのに、とても歩けそうにない…
どうしたものかとセージが困っていると、綺麗な女性が現れてセージに肩を貸し家まで送ってくれたという。
しかも、それだけではなく、その晩は一晩中セージの看病をしてくれたというのだ。
セージはどうやら風邪で熱が出ていたらしい。
しかし、看病のおかげで朝には熱も下がり、おかゆを作ってもらってそれからまた眠っていたら、目が覚めた時にその女性はすでにいなくなっていたという。
「だから、お礼を言うことも出来なくて…
もう一度会って、ちゃんとお礼を言いたいのです。」
「ふぅ~ん、じゃ、その人も良い人間なんだね。」
セージの話を聞いて、ヨンヨンもその人に会いたくなって来た。
人間にも良い人がいっぱいいるってことが村の皆に証明出来るかもしれない。
「じゃ、でかけよう!
その人を探しに…!」
「はい!天使様!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

僻地に追放されたうつけ領主、鑑定スキルで最強武将と共に超大国を創る
瀬戸夏樹
ファンタジー
時は乱世。
ユーベル大公国領主フリードには4人の息子がいた。
長男アルベルトは武勇に優れ、次男イアンは学識豊か、3男ルドルフは才覚持ち。
4男ノアのみ何の取り柄もなく奇矯な行動ばかり起こす「うつけ」として名が通っていた。
3人の優秀な息子達はそれぞれその評判に見合う当たりギフトを授かるが、ノアはギフト判定においてもハズレギフト【鑑定士】を授かってしまう。
「このうつけが!」
そう言ってノアに失望した大公は、ノアを僻地へと追放する。
しかし、人々は知らない。
ノアがうつけではなく王の器であることを。
ノアには自身の戦闘能力は無くとも、鑑定スキルによって他者の才を見出し活かす力があったのである。
ノアは女騎士オフィーリアをはじめ、大公領で埋もれていた才や僻地に眠る才を掘り起こし富国強兵の道を歩む。
有能な武将達を率いる彼は、やがて大陸を席巻する超大国を創り出す。
なろう、カクヨムにも掲載中。
装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます
tera
ファンタジー
※まだまだまだまだ更新継続中!
※書籍の詳細はteraのツイッターまで!@tera_father
※第1巻〜7巻まで好評発売中!コミックス1巻も発売中!
※書影など、公開中!
ある日、秋野冬至は異世界召喚に巻き込まれてしまった。
勇者召喚に巻き込まれた結果、チートの恩恵は無しだった。
スキルも何もない秋野冬至は一般人として生きていくことになる。
途方に暮れていた秋野冬至だが、手に持っていたアイテムの詳細が見えたり、インベントリが使えたりすることに気づく。
なんと、召喚前にやっていたゲームシステムをそっくりそのまま持っていたのだった。
その世界で秋野冬至にだけドロップアイテムとして誰かが倒した魔物の素材が拾え、お金も拾え、さらに秋野冬至だけが自由に装備を強化したり、錬金したり、ゲームのいいとこ取りみたいな事をできてしまう。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

転生モブ一家は乙女ゲームの開幕フラグを叩き折る
月野槐樹
ファンタジー
辺境の片田舎の弱小貴族の一家の屋敷に、ある日高位貴族達のちょっとした気まぐれで高位貴族とその子息子女、更に第二王子殿下までもが滞在することになってしまった。
田舎貴族の次男クリスはその頃から、奇妙な白昼夢を見るようになる。それは屋敷に滞在している王子や令嬢、令息達の未来のように思えた。
不幸になりそうな未来なら何とか手助けしたい!でも、本当に起きることのかな?
半信半疑のまま、手助けできそうなことを、やりたいようにやっていく。
ただし、普段は魔道具を作ったり、魔獣を倒したり、美味しいご飯を食べたり、緩くマイペースに辺境ライフを楽しんでいます!

婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね
いくみ
ファンタジー
パトリシアは卒業パーティーで婚約者の王子から婚約破棄を言い渡される。
しかし、これは、本人が待ちに待った結果である。さぁこれからどうやって私の13年を返して貰いましょうか。
覚悟して下さいませ王子様!
転生者嘗めないで下さいね。
追記
すみません短編予定でしたが、長くなりそうなので長編に変更させて頂きます。
モフモフも、追加させて頂きます。
よろしくお願いいたします。
カクヨム様でも連載を始めました。

【完結】ちょっと待ってくれー!!彼女は俺の婚約者だ
山葵
恋愛
「まったくお前はいつも小言ばかり…男の俺を立てる事を知らないのか?俺がミスしそうなら黙ってフォローするのが婚約者のお前の務めだろう!?伯爵令嬢ごときが次期公爵の俺に嫁げるんだぞ!?ああーもう良い、お前との婚約は解消だ!」
「婚約破棄という事で宜しいですか?承りました」
学園の食堂で俺は婚約者シャロン・リバンナに婚約を解消すると言った。
シャロンは、困り俺に許しを請うだろうと思っての発言だった。
まさか了承するなんて…!!
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる