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024. あなたに会いたい
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「私はここさ…」
「ここってどこ?…ヨンヨン、わからないよ~!」
「おまえが座ってるのが私だよ。」
「えっ!?
座ってるって…この木…?」
「そうだよ。私は木の精さ。」
「木の…精?」
「おまえ、妖精なのに親戚筋である私達のようなものを見たことがないのか?
不思議な妖精だな。
そんなことより、おまえはなぜこんな所におるのだ?
このあたりにおまえ達のような者が住んでるとは思わなかったぞ。」
「実はね…」
ヨンヨンはこれまでのことを木の精に話して聞かせた。
「なるほど、そういうことだったのか。
おまえはなかなか運が良いな。
それなら、ちょうど良い者がいるぞ。」
「えっっ!
良い者…って、ヨンヨンの友達になってくれそうな人間がいるってこと?」
「そうだ。
おっちょこちょいだが、とても心の綺麗な人間でな。
あの子になら、もしかしたらお前の姿が見えるかもしれんぞ。」
「本当?!
その人間はどこにいるの?」
「多分、この近くに住んでいると思うのだが…」
「ヨンヨン、今から探してくる!」
「これこれ、おまえはその子がどんな人間かも知らんだろう?
それにその子の家もわからんじゃないか。
そう、急がずとも明日になったらその子はここにやって来る。
明日まで待ちなさい。」
「本当に?
なんで、その子が明日来るってわかるの?」
「その子はな、私のことを昔から『木の神様』と呼んでいて、何か困った事が出来ると私にお願いに来るのだ。
最近も、毎朝、ここへお願いにやって来る。」
「でも、本当に明日も来る?」
「あぁ、来るさ。
願いが叶うまで、あの子は毎日来るから、明日も必ずやって来るぞ。」
「そっか~!
じゃ、ヨンヨン、ここで待ってみるよ!」
その晩、ヨンヨンは、木の精とたくさんの楽しいおしゃべりをした。
木の精は、おしゃべりをするのは久しぶりだととても喜んでくれたので、ヨンヨンははりきってばぁちゃんやわらしちゃんの話をした。
木の精には明日来る『あの子』のことも教えてもらった。
『あの子』には会いたい人がいるらしい。
たくさん話すと楽しいけどとっても疲れる。
ヨンヨンは木の精の枝をベッドにゆっくりと眠った。
「ここってどこ?…ヨンヨン、わからないよ~!」
「おまえが座ってるのが私だよ。」
「えっ!?
座ってるって…この木…?」
「そうだよ。私は木の精さ。」
「木の…精?」
「おまえ、妖精なのに親戚筋である私達のようなものを見たことがないのか?
不思議な妖精だな。
そんなことより、おまえはなぜこんな所におるのだ?
このあたりにおまえ達のような者が住んでるとは思わなかったぞ。」
「実はね…」
ヨンヨンはこれまでのことを木の精に話して聞かせた。
「なるほど、そういうことだったのか。
おまえはなかなか運が良いな。
それなら、ちょうど良い者がいるぞ。」
「えっっ!
良い者…って、ヨンヨンの友達になってくれそうな人間がいるってこと?」
「そうだ。
おっちょこちょいだが、とても心の綺麗な人間でな。
あの子になら、もしかしたらお前の姿が見えるかもしれんぞ。」
「本当?!
その人間はどこにいるの?」
「多分、この近くに住んでいると思うのだが…」
「ヨンヨン、今から探してくる!」
「これこれ、おまえはその子がどんな人間かも知らんだろう?
それにその子の家もわからんじゃないか。
そう、急がずとも明日になったらその子はここにやって来る。
明日まで待ちなさい。」
「本当に?
なんで、その子が明日来るってわかるの?」
「その子はな、私のことを昔から『木の神様』と呼んでいて、何か困った事が出来ると私にお願いに来るのだ。
最近も、毎朝、ここへお願いにやって来る。」
「でも、本当に明日も来る?」
「あぁ、来るさ。
願いが叶うまで、あの子は毎日来るから、明日も必ずやって来るぞ。」
「そっか~!
じゃ、ヨンヨン、ここで待ってみるよ!」
その晩、ヨンヨンは、木の精とたくさんの楽しいおしゃべりをした。
木の精は、おしゃべりをするのは久しぶりだととても喜んでくれたので、ヨンヨンははりきってばぁちゃんやわらしちゃんの話をした。
木の精には明日来る『あの子』のことも教えてもらった。
『あの子』には会いたい人がいるらしい。
たくさん話すと楽しいけどとっても疲れる。
ヨンヨンは木の精の枝をベッドにゆっくりと眠った。
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