141 / 697
022. 日常風景
5
しおりを挟む
テレビでは、咲也おすすめの映画が派手なカーチェイスを繰り広げていた。
1台がカーブを曲がりきれず、壁に激突して灰色の煙と真っ赤な火柱をあげている…
それを見て、咲也が歓声をあげている。
どんな女なの?
あの人に猛アタックをかけてるって馬鹿な女は…
聞きたい…!
その女の事をもっと詳しく聞きたい。
でも、聞けない…
咲也はまだ続いているカーチェイスに魅了されたように、テレビに釘付けになっている。
「あ、咲也~、
そういえば…」
押さえきれずに、なんとかその女のことを聞こうとした時、間の悪い玄関のチャイムが鳴った。
咲也はそれに「は~い!」と子供のように返事をしながら玄関の方へ出て行った。
いや…やっぱり聞かなくて良かったのかもしれない。
そんなこと聞くのはおかしい…
……そうかしら?
普通の女の子なら、関係のない人のことでも面白そうな話には飛びつくはずだ。
そう、野次馬根性で聞いてるフリをすれば良い!
咲也が戻って来たら、こう言うのよ。
「ねぇ、ねぇ、咲也!
そういえば、さっきの話だけど…」
その時の会話をシミュレーションしてみる。
……そう、これで大丈夫…
それにしても、咲也は遅い。
一体、何をしているのか…
しばらくしてから、咲也はやっと部屋に戻って来た。
一目で不機嫌だということがわかる表情をしている。
「咲也、どうかしたの?」
「兄貴の奴…!!」
咲也は、座ると同時にテーブルの上に小さな包みを置いた。
「なに、これ?」
「知らないよ!」
「どうしたのよ、咲也…」
咲也が落ち着くのを待って聞いた所によると、今、来ていたのはあの女だったということだった。
当然、あの人に会いに来たので部屋に呼びに行くと、あの人は会いたくないと部屋から出て来なかったらしい。
女の方はなかなか帰らないし、あの人は部屋から出てこない…
仕方なく咲也は帰ってもらうことにしたらしいのだが、そしたらこれを渡してほしいと包みを受け取ったという。
咲也が包みをあの人に持っていくと、そんなものは受け取れないと拒否され、そして今ここにこうして置いてあるということだった。
いい気味…
1台がカーブを曲がりきれず、壁に激突して灰色の煙と真っ赤な火柱をあげている…
それを見て、咲也が歓声をあげている。
どんな女なの?
あの人に猛アタックをかけてるって馬鹿な女は…
聞きたい…!
その女の事をもっと詳しく聞きたい。
でも、聞けない…
咲也はまだ続いているカーチェイスに魅了されたように、テレビに釘付けになっている。
「あ、咲也~、
そういえば…」
押さえきれずに、なんとかその女のことを聞こうとした時、間の悪い玄関のチャイムが鳴った。
咲也はそれに「は~い!」と子供のように返事をしながら玄関の方へ出て行った。
いや…やっぱり聞かなくて良かったのかもしれない。
そんなこと聞くのはおかしい…
……そうかしら?
普通の女の子なら、関係のない人のことでも面白そうな話には飛びつくはずだ。
そう、野次馬根性で聞いてるフリをすれば良い!
咲也が戻って来たら、こう言うのよ。
「ねぇ、ねぇ、咲也!
そういえば、さっきの話だけど…」
その時の会話をシミュレーションしてみる。
……そう、これで大丈夫…
それにしても、咲也は遅い。
一体、何をしているのか…
しばらくしてから、咲也はやっと部屋に戻って来た。
一目で不機嫌だということがわかる表情をしている。
「咲也、どうかしたの?」
「兄貴の奴…!!」
咲也は、座ると同時にテーブルの上に小さな包みを置いた。
「なに、これ?」
「知らないよ!」
「どうしたのよ、咲也…」
咲也が落ち着くのを待って聞いた所によると、今、来ていたのはあの女だったということだった。
当然、あの人に会いに来たので部屋に呼びに行くと、あの人は会いたくないと部屋から出て来なかったらしい。
女の方はなかなか帰らないし、あの人は部屋から出てこない…
仕方なく咲也は帰ってもらうことにしたらしいのだが、そしたらこれを渡してほしいと包みを受け取ったという。
咲也が包みをあの人に持っていくと、そんなものは受け取れないと拒否され、そして今ここにこうして置いてあるということだった。
いい気味…
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。

(番外編) 私のことが嫌いなら、さっさと婚約解消してください。私は、花の種さえもらえれば満足です!
水無月あん
恋愛
「私のことが嫌いなら、さっさと婚約解消してください。私は、花の種さえもらえれば満足です!」の番外編となります。本編読了後でないと、わかりづらいと思われます。
本編で書くことができなかった主人公ライラ以外の視点や、本編以降のことなども、書いていく予定にしています。どうぞ、よろしくお願いします。
本編同様、ゆるっとした設定ですので、お気軽に楽しんでいただければ、幸いです。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
15歳になった男子は、冒険者になる。それが当たり前の世界。だがクテュールは、冒険者になるつもりはなかった。男だけど裁縫が好きで、道具屋とかに勤めたいと思っていた。
クテュールは、15歳になる前日に、幼馴染のエジンに稽古すると連れ出され殺されかけた!いや、偶然魔物の上に落ち助かったのだ!それが『レッドアイの森』のボス、キュイだった!

出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる