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017. まったく…
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俺も当時は小さかったが、その俺が小さいと感じるくらいに小さな赤い帽子…
一応、頭にかぶってみようとしたけど、当然入るはずもなかった。
一体、誰のものなんだろう?
帽子をみつめ考えていると、誰かがいきなり俺のお尻のあたりを叩いた。
突然のことに、俺は心臓が止まる程驚いて、反射的に振り向いた。
「誰だ!!」
「いっっ!」
俺は、その時、よほど切羽詰った顔でもしてたのか、そこにいた者は数歩後ずさりをした。
そこにいた者…それは、小さな俺よりももっと小さい…そう、小人だったんだ。
「こ、小人だ!!」
小人は怯えたような目をしていたが、小さな片手を差し出して小さな声で呟いた。
「帽子…」
「……あ…これ…!?
これ、おまえのか?」
小人はうんうんと首を縦に振った。
「うっわ~、俺、小人としゃべってる~!
小人って、本当にいたんだぁ…」
俺は、興奮して小人をジロジロとみつめた。
身体の格好は大きさ以外は人間と変わらない。
赤い短めのローブのようなものを着て腰をベルトで絞め、足には小さなブーツのようなものを履いていた。
顔のわりに、耳や目がやたらと大きく、そして、頭には髪の毛がなかった。
「本当にちっちゃいなぁ…
それに、ハゲだ!
おまえ、おじいさんの小人なのか?」
俺は子供の頃から、思ったことをすぐに口に出してしまう癖があったようだ。
悪意はなかったのだが、小人はどうも気分を害しているようだった。
「おじいさんじゃないやい!
僕たちは大人も子供も最初からこんな頭なんだ!」
……やっぱり怒ってた…
「あぁ、わかった!
ハゲだから、皆、帽子をかぶってるんだな?」
もちろん、この言葉にも俺は悪意はなかったんだが、小人はさらに気分を悪くしたようだった。
「違う!
僕たちは帽子が好きなだけなんだ!」
なんだ、なんだ?
この小人、やけに怒ってるみたいだぞ。
怒ると顔だけじゃなくて、首から少しづつハゲ頭までが真っ赤になってくる。
その様子がおかしくて、俺はつい声をあげて笑ってしまった。
これがまずかったんだな。
一応、頭にかぶってみようとしたけど、当然入るはずもなかった。
一体、誰のものなんだろう?
帽子をみつめ考えていると、誰かがいきなり俺のお尻のあたりを叩いた。
突然のことに、俺は心臓が止まる程驚いて、反射的に振り向いた。
「誰だ!!」
「いっっ!」
俺は、その時、よほど切羽詰った顔でもしてたのか、そこにいた者は数歩後ずさりをした。
そこにいた者…それは、小さな俺よりももっと小さい…そう、小人だったんだ。
「こ、小人だ!!」
小人は怯えたような目をしていたが、小さな片手を差し出して小さな声で呟いた。
「帽子…」
「……あ…これ…!?
これ、おまえのか?」
小人はうんうんと首を縦に振った。
「うっわ~、俺、小人としゃべってる~!
小人って、本当にいたんだぁ…」
俺は、興奮して小人をジロジロとみつめた。
身体の格好は大きさ以外は人間と変わらない。
赤い短めのローブのようなものを着て腰をベルトで絞め、足には小さなブーツのようなものを履いていた。
顔のわりに、耳や目がやたらと大きく、そして、頭には髪の毛がなかった。
「本当にちっちゃいなぁ…
それに、ハゲだ!
おまえ、おじいさんの小人なのか?」
俺は子供の頃から、思ったことをすぐに口に出してしまう癖があったようだ。
悪意はなかったのだが、小人はどうも気分を害しているようだった。
「おじいさんじゃないやい!
僕たちは大人も子供も最初からこんな頭なんだ!」
……やっぱり怒ってた…
「あぁ、わかった!
ハゲだから、皆、帽子をかぶってるんだな?」
もちろん、この言葉にも俺は悪意はなかったんだが、小人はさらに気分を悪くしたようだった。
「違う!
僕たちは帽子が好きなだけなんだ!」
なんだ、なんだ?
この小人、やけに怒ってるみたいだぞ。
怒ると顔だけじゃなくて、首から少しづつハゲ頭までが真っ赤になってくる。
その様子がおかしくて、俺はつい声をあげて笑ってしまった。
これがまずかったんだな。
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