Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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014. 高級マツタケ

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「一体、どのくらいで売れるんだろうな!?」

「せやなぁ…においはともかく…確かに珍しいものやとは思うから、普通のきのこの倍くらい…いや、おじいさんが道を踏み外すくらい儲かったってことは……三倍くらいかな!?」

「さ、三倍だって!?
……こんなものが、本当にそんな高くで売れるのかぁ?」

ケンタロウはとても信じられない様子だ。



次の朝早く、僕達はきのこを売るため、近くの町へ向かった。
町まではそこそこ遠かったけど、平坦な町が続いてたから、さほど疲れることはなかった。



「地図によると、この街道沿いにあと少し……あれ…?」



町が近付いて来た頃、街道の片隅に僕達はまだ小さな子供がいるのをみつけた。
二人の子供は粗末な布を敷いて、そこになにかを並べている。
近付いてみると、二人が並べていたのは野菜だった。
どれも成育状態があまり良くなくて、色もいまひとつだ。



「ボク達、野菜売ってるんか?
こんな所やなしに町で売ったらええのに…
それに、お父さんかお母さんはいてはれへんのか?」

「あ…獣人だ…!」

子供達は、とても驚いて大きな口をあんぐりと開けて僕らのことをじっとみつめた。
と、いうことはこのあたりには、獣人はあまり多くないのかもしれない。
僕は嫌な予感を感じた。



「あ…あぁ…町の市場は店を出すのにお金がかかるんだ。」

大きな方の子供がやっと質問を思い出したように答えた。



「今、おかあちゃんが動けないから…僕ら、お金がないんだよ。」

小さい方の子供が言葉を続けた。



話を聞くと、父親は出稼ぎに行っていてまだ当分は帰らず、お母さんは一月程前に足を骨折し寝こんでいるということだった。
二人はきっとお母さんの代わりに畑仕事をしてるんだろうけど、まだ小さいからうまく育てられないのだろう。



「それは大変やなぁ…
よっしゃ!お兄ちゃんが店出すから、君らもそこで一緒に売ったらええ!
さぁ、行くで!」

 
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