56 / 697
009. 封印
5
しおりを挟む
「その通りだよ!僕、今の今まで、あの洞窟にいたはずなのに、なぜだかこんな所に来てたんだ。」
「おまえさん、ここがどこだかわかっとらんのか?」
「うん!」
「……ここは人間の世界じゃ。」
「人間…?
…えっ?!人間?」
そういえば、以前、そんな話を聞いたことがある。
羽根猫の世界の他に、人間の世界っていうものがあるって話。
僕達とは姿も全然違う人間って者達が暮らすとても恐ろしい世界。
でも、そんなものは御伽話だと思ってた。
「う…うそ…本当にここは人間の世界なの?」
「そうじゃよ。」
「大変だ!早く帰らなきゃ!」
「そうじゃな、その方がええかもしれんな。」
「木の精さん…どうやったら帰れるの?!」
「なんと!そんなことも知らんでここに来たのか?」
「知らないよ!教えてよ!」
「わしが知ってるわけはなかろう…」
「そ、そんなぁ…!!」
木の精霊さんが、草の精や花の精にも話を聞いてくれたけど、誰もその方法を知らなかった。
それどころか、羽根猫を見た事があるのも、その木の精霊さんだけだった。
それももう何百年か前の話らしい…
「まぁ、そうがっかりしなさんな。
あちこちの精霊や動物達に話を聞いてみたら、誰か知ってる者もいるかもしれんぞ。
気長に探すことじゃな。
幸い、人間達にはおまえさんの姿は見えん。
だから、そんなに心配する事もなかろう。」
「そ…そんな…
僕、人間の世界のことなんてまったく知らないのに…」
「今更そんなこと言ったって仕方がないじゃないか。
とにかく頑張って調べることじゃな。」
「えええ……」
「おお、そうじゃ、
人間の中には、たまにおまえさんの姿が見える者もおるから気を付けるんじゃぞ。」
「えええーーーーーっっ!」
そんなわけで、僕は人間の世界に来てしまったってわけなんだ。
思ってた程、怖い世界じゃなさそうだけど、いまだに元の世界に帰る方法は小さな手掛かりさえみつかってはいない。
でも、僕は諦めない!
絶対に元の世界に戻る方法を探し出してやる!
「ようし!今日も頑張るぞ!!」
「おまえさん、ここがどこだかわかっとらんのか?」
「うん!」
「……ここは人間の世界じゃ。」
「人間…?
…えっ?!人間?」
そういえば、以前、そんな話を聞いたことがある。
羽根猫の世界の他に、人間の世界っていうものがあるって話。
僕達とは姿も全然違う人間って者達が暮らすとても恐ろしい世界。
でも、そんなものは御伽話だと思ってた。
「う…うそ…本当にここは人間の世界なの?」
「そうじゃよ。」
「大変だ!早く帰らなきゃ!」
「そうじゃな、その方がええかもしれんな。」
「木の精さん…どうやったら帰れるの?!」
「なんと!そんなことも知らんでここに来たのか?」
「知らないよ!教えてよ!」
「わしが知ってるわけはなかろう…」
「そ、そんなぁ…!!」
木の精霊さんが、草の精や花の精にも話を聞いてくれたけど、誰もその方法を知らなかった。
それどころか、羽根猫を見た事があるのも、その木の精霊さんだけだった。
それももう何百年か前の話らしい…
「まぁ、そうがっかりしなさんな。
あちこちの精霊や動物達に話を聞いてみたら、誰か知ってる者もいるかもしれんぞ。
気長に探すことじゃな。
幸い、人間達にはおまえさんの姿は見えん。
だから、そんなに心配する事もなかろう。」
「そ…そんな…
僕、人間の世界のことなんてまったく知らないのに…」
「今更そんなこと言ったって仕方がないじゃないか。
とにかく頑張って調べることじゃな。」
「えええ……」
「おお、そうじゃ、
人間の中には、たまにおまえさんの姿が見える者もおるから気を付けるんじゃぞ。」
「えええーーーーーっっ!」
そんなわけで、僕は人間の世界に来てしまったってわけなんだ。
思ってた程、怖い世界じゃなさそうだけど、いまだに元の世界に帰る方法は小さな手掛かりさえみつかってはいない。
でも、僕は諦めない!
絶対に元の世界に戻る方法を探し出してやる!
「ようし!今日も頑張るぞ!!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
スキル【海】ってなんですか?
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
スキル【海】ってなんですか?〜使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女の鍵を握るスキルとして追われています〜
※書籍化準備中。
※情報の海が解禁してからがある意味本番です。
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは、謎のユニークスキル──〈海〉だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子ども以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父さまの弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
……まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていたし、僕が好きだったのは、幼なじみで我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有り難いかも。
それに〈海〉があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海につながってたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
──時空の海、って、なんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父さまのアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど……。ここにつながってたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人のアイテムボックスにつながっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと……、伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って……。
おまけに精霊の宿るアイテムって……。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者って……。ムリムリムリ!
そっとしておこう……。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!
そう思っていたんだけど……。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
──情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
死を取り扱う精霊の物語
Spitfire
ファンタジー
ある企画に参加してくと共に作成している話
初めて小説と言うものを書くので、脱字やなんやらが多いと思われます。暖かい目で見守ってくれるか、指摘をしてくれるとありがたいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる