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009. 封印
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「あ!!エンパナーダ!!あれ見て!」
「わっ!なんだ、なんだ?!」
洞窟の突き当たりの壁に、おかしな渦巻きがあったんだ。
渦巻きは、音も立てずにただぐるぐる回ってた。
「なんなんだろ?あれ…」
渦巻きは、ゆっくりとした速度で時計回りに回ってる。
「わ…わ…エンパナーダ、僕、目がまわっちゃったよ。」
「馬鹿だな。そんなにみつめるからだろ!」
渦巻きを見過ぎて目を回すなんて、リングイードは本当におっちょこちょいだな。
だけど、この渦巻きは一体何のためのものなんだろう?
そうか!ここに何か秘密があるのかもしれないぞ。
僕は、間近で渦を見ようと近付いた。
「エンパナーダ、あんまり近付いちゃ危ないよ!」
「大丈夫だよ!
渦ったって、水じゃないんだし…」
僕は渦の中に、なにげなく前足を差し出した。
すると、その時…
「うわぁぁぁぁ~~~!!」
「あ!ああっっ!!エ、エンパナーダ!!」
*
「あれ……?!」
今まで洞窟にいたはずなのに、なぜだかそこは森の中だった。
「リングイード!リングイード!どこにいるんだい?!」
僕は彼の名前を大きな声で呼んだけど、リングイードからの返事は返って来なかった。
(どうなってんだ?
ここは一体、どこなんだ?)
「おお…羽根猫とは珍しい。」
「誰?!」
「わしじゃ、おまえが羽根を休めてる木の精じゃ。」
「え?!」
しゃべってたのは大きな木の精霊だった。
「あぁ、びっくりした。
木の精さん、僕、なんだか迷子になったみたいなんだ。
ここはどこかわかる?」
「迷子?
もしや、おまえさん、封印の渦から来たのか?」
「封印の渦?
それって、もしかして洞窟の奥のあの渦のこと?」
「そうじゃ。」
「わっ!なんだ、なんだ?!」
洞窟の突き当たりの壁に、おかしな渦巻きがあったんだ。
渦巻きは、音も立てずにただぐるぐる回ってた。
「なんなんだろ?あれ…」
渦巻きは、ゆっくりとした速度で時計回りに回ってる。
「わ…わ…エンパナーダ、僕、目がまわっちゃったよ。」
「馬鹿だな。そんなにみつめるからだろ!」
渦巻きを見過ぎて目を回すなんて、リングイードは本当におっちょこちょいだな。
だけど、この渦巻きは一体何のためのものなんだろう?
そうか!ここに何か秘密があるのかもしれないぞ。
僕は、間近で渦を見ようと近付いた。
「エンパナーダ、あんまり近付いちゃ危ないよ!」
「大丈夫だよ!
渦ったって、水じゃないんだし…」
僕は渦の中に、なにげなく前足を差し出した。
すると、その時…
「うわぁぁぁぁ~~~!!」
「あ!ああっっ!!エ、エンパナーダ!!」
*
「あれ……?!」
今まで洞窟にいたはずなのに、なぜだかそこは森の中だった。
「リングイード!リングイード!どこにいるんだい?!」
僕は彼の名前を大きな声で呼んだけど、リングイードからの返事は返って来なかった。
(どうなってんだ?
ここは一体、どこなんだ?)
「おお…羽根猫とは珍しい。」
「誰?!」
「わしじゃ、おまえが羽根を休めてる木の精じゃ。」
「え?!」
しゃべってたのは大きな木の精霊だった。
「あぁ、びっくりした。
木の精さん、僕、なんだか迷子になったみたいなんだ。
ここはどこかわかる?」
「迷子?
もしや、おまえさん、封印の渦から来たのか?」
「封印の渦?
それって、もしかして洞窟の奥のあの渦のこと?」
「そうじゃ。」
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