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ルカ(聖夜月ルカ)

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009. 封印

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「あ!!エンパナーダ!!あれ見て!」

「わっ!なんだ、なんだ?!」

洞窟の突き当たりの壁に、おかしな渦巻きがあったんだ。
渦巻きは、音も立てずにただぐるぐる回ってた。



「なんなんだろ?あれ…」

渦巻きは、ゆっくりとした速度で時計回りに回ってる。



「わ…わ…エンパナーダ、僕、目がまわっちゃったよ。」

「馬鹿だな。そんなにみつめるからだろ!」

渦巻きを見過ぎて目を回すなんて、リングイードは本当におっちょこちょいだな。
だけど、この渦巻きは一体何のためのものなんだろう?
そうか!ここに何か秘密があるのかもしれないぞ。
僕は、間近で渦を見ようと近付いた。



「エンパナーダ、あんまり近付いちゃ危ないよ!」

「大丈夫だよ!
渦ったって、水じゃないんだし…」

僕は渦の中に、なにげなく前足を差し出した。
すると、その時…



「うわぁぁぁぁ~~~!!」

「あ!ああっっ!!エ、エンパナーダ!!」








「あれ……?!」



今まで洞窟にいたはずなのに、なぜだかそこは森の中だった。



「リングイード!リングイード!どこにいるんだい?!」



僕は彼の名前を大きな声で呼んだけど、リングイードからの返事は返って来なかった。



(どうなってんだ?
ここは一体、どこなんだ?)



「おお…羽根猫とは珍しい。」

「誰?!」

「わしじゃ、おまえが羽根を休めてる木の精じゃ。」

「え?!」

しゃべってたのは大きな木の精霊だった。



「あぁ、びっくりした。
木の精さん、僕、なんだか迷子になったみたいなんだ。
ここはどこかわかる?」

「迷子?
もしや、おまえさん、封印の渦から来たのか?」

「封印の渦?
それって、もしかして洞窟の奥のあの渦のこと?」

「そうじゃ。」
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