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ルカ(聖夜月ルカ)

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009. 封印

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「リングイード…起きてるか…?」

「う…うぅん…誰?」

「なに、寝てるんだよ!
今夜は、封印の洞窟に行くって決めてただろ?」

「エンパナーダ!
君、本気で行くつもりなのかい?」

「当たり前だろ!
さ、早く!!」

「えええええーーーーーっっ!」

寝ぼけまなこのリングイーダをひっぱって、僕は、封印の洞窟を目指して飛んだ。
こんな真夜中にでかけるのは初めてのことだったから、それだけでも僕の気持ちはわくわくしていた。
封印の洞窟は森の奥にあるんだけど、僕達は森の上を飛んで行ったし、ちょうど明るい月夜だったから怖い気持ちなんて少しもなかった。



「エンパナーダ、本当に行くのかい?」

「リングイード、君の心配性にも困ったもんだね。
もう、ここまで来たんだから、観念しなよ!」

「番兵さんがいたら、帰ろうよ!」

「わかってるって!
僕ももう草むしりをさせられるのはごめんだからね。」

洞窟の近くで僕達は地上に降り、そこからは歩いて行くことにした。
羽ばたきの音でみつかったら大変だからね。
僕達は、少しも音を立てないように洞窟まで慎重に歩いて行った。



「リングイード!やった!
番兵さんがいないぞ!!」

「本当だ!!」

夜中に来て正解だった。
洞窟の前にはいつもの怖い顔した番兵さんがいなかったんだ。
それでも、注意して僕達は洞窟に近付いて行った。
どこかで誰かが見てるんじゃないかって、すっごく緊張したよ。
でも、洞窟のまん前に着いても、やっぱり何も起こらなかった。



「やった!!ついに洞窟に入れるぞ!!」

「エンパナーダ…大丈夫かい?
中に入っても本当に大丈夫なのかい?」

「そんなに怖いなら来なくて良いよ!!
僕は一人で行くから!」

「い…行くってば!」

洞窟の中は真っ暗で、外よりも少しひんやりとした感じだった。
僕らは暗い所でもはっきりと目が見えるから、灯かりの魔法も必要ないんだ。
リングイードは怖いのか僕にぴったり寄り添って歩いている。



「エンパナーダ…
何もないね…」

リングイードの言う通り、洞窟の中は本当になにもない。
道は曲がりくねってるだけで部屋もなければ、とにかく変わったものは何もない。



「なんでこんな所が封印の洞窟なんだろう?
何もないじゃないか。」

「本当だね。
ここに来る途中に隠し部屋でもあったのかな?」

「隠し部屋?そんなものはなかったと思うけど…」

そんなことを話しているうちに、僕達は洞窟の最奥部に着いてしまった。
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