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008. さらなる力
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「畜生!僕のせいでメルは…」
アーロンは、涙を流しながら、テーブルを叩きつけた。
「アーロン…あなたのせいじゃないわ。
その人は…」
「君は何もわかっちゃいない!
メルは、僕をかばって死んだんだぞ!」
憤慨して、赤い目でフィリスを睨みつけるアーロンに、フィリスは何も言えなかった。
アーロンはこの国の騎士だ。
三か月ほど前から、近隣の国との戦争が始まり、当然、アーロンも戦闘に参加していた。
今日は同じ騎士団の親友・メルが、アーロンをかばって命を落とし、そのことでアーロンは酷く傷付いていた。
「あぁ…力が欲しい!強力な力が…
僕にもっと力があればメルはこんなことにはならなかったし、メルの敵討ちのために敵国の奴らをもっとめちゃくちゃに倒してやれるのに…」
「あなたは、昔から一生懸命、剣術の稽古に励んでいるじゃない。
あなたは、決して弱くはないわ。」
「今のままじゃだめなんだ!
僕は、人並みはずれた力がほしい!
鬼神と言われるほどの並外れた力が…!
いくら稽古を積んだところで、そんな力は身につかない。
何か方法はないのか、何か……
……そうだ!」
アーロンの顔に、不意に笑みが浮かんだ。
「どうしたの?アーロン…」
「フィリス…君は聞いたことがないか?
悪魔と契約を交わせば、その代わりに特別な力を得られるって話を…」
「ば、馬鹿なことを言わないで!
そんなことをしたら、死んでからあなたの魂は地獄に堕ちることになるのよ。
それに、特別な力なんて持ってしまったら、魔女狩りに遭うかもしれないわ。
どちらにしても、そんなこと、絶対に考えちゃ駄目よ!」
「死んでから地獄に行こうが天国に行こうが、そんなことはどうでも良いことだ。
大切なのは今だ!
それに、魔力を人前で使わなければ、バレることもない。
僕はそんなへまはしないから大丈夫だ。」
「だめだったら、だめよ!」
その晩、二人はわかりあうことは出来ず、気まずい雰囲気のままで別れた。
アーロンは、涙を流しながら、テーブルを叩きつけた。
「アーロン…あなたのせいじゃないわ。
その人は…」
「君は何もわかっちゃいない!
メルは、僕をかばって死んだんだぞ!」
憤慨して、赤い目でフィリスを睨みつけるアーロンに、フィリスは何も言えなかった。
アーロンはこの国の騎士だ。
三か月ほど前から、近隣の国との戦争が始まり、当然、アーロンも戦闘に参加していた。
今日は同じ騎士団の親友・メルが、アーロンをかばって命を落とし、そのことでアーロンは酷く傷付いていた。
「あぁ…力が欲しい!強力な力が…
僕にもっと力があればメルはこんなことにはならなかったし、メルの敵討ちのために敵国の奴らをもっとめちゃくちゃに倒してやれるのに…」
「あなたは、昔から一生懸命、剣術の稽古に励んでいるじゃない。
あなたは、決して弱くはないわ。」
「今のままじゃだめなんだ!
僕は、人並みはずれた力がほしい!
鬼神と言われるほどの並外れた力が…!
いくら稽古を積んだところで、そんな力は身につかない。
何か方法はないのか、何か……
……そうだ!」
アーロンの顔に、不意に笑みが浮かんだ。
「どうしたの?アーロン…」
「フィリス…君は聞いたことがないか?
悪魔と契約を交わせば、その代わりに特別な力を得られるって話を…」
「ば、馬鹿なことを言わないで!
そんなことをしたら、死んでからあなたの魂は地獄に堕ちることになるのよ。
それに、特別な力なんて持ってしまったら、魔女狩りに遭うかもしれないわ。
どちらにしても、そんなこと、絶対に考えちゃ駄目よ!」
「死んでから地獄に行こうが天国に行こうが、そんなことはどうでも良いことだ。
大切なのは今だ!
それに、魔力を人前で使わなければ、バレることもない。
僕はそんなへまはしないから大丈夫だ。」
「だめだったら、だめよ!」
その晩、二人はわかりあうことは出来ず、気まずい雰囲気のままで別れた。
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