44 / 697
007. 森の木霊
3
しおりを挟む
「ナギー!ナギー!」
(誰……?)
「ナギー!」
森の中に響き渡る自分の名前に、ナギは目を覚ました。
「ナギーー!」
どこから聞こえているのか…
男なのか女なのかもよくわからない不思議な声が、森の中でぐるぐると木霊する…
「だ……誰?!」
ナギは身体を起こした。
(あ…あたし、さっきは確か木の上にいたはずなのに…)
まだぼんやりとする意識の中で、ナギはそんなことを思い出していた。
「ナギーー!どこにいるの?!」
不思議な声は、だんだんナギの近くに近付いて来る。
(誰……?)
敵意は感じられないものの、迂闊に返事をして良いものかどうなのか、ナギはまだ決めかねていた。
「ナギーー!」
声はまるでナギの居場所を知っているかのように、ナギの傍に近付いて来る…
やがて、声だけではなく、その者の立てる足音までがナギの耳に入るようになっていた。
ナギはその場に立ち尽し、ただその足音の主がそこに現れるのを、息を殺してじっと待っていた。
ナギのすぐ近くの茂みが動く。
「ナギ!!」
(誰……?)
「ナギー!」
森の中に響き渡る自分の名前に、ナギは目を覚ました。
「ナギーー!」
どこから聞こえているのか…
男なのか女なのかもよくわからない不思議な声が、森の中でぐるぐると木霊する…
「だ……誰?!」
ナギは身体を起こした。
(あ…あたし、さっきは確か木の上にいたはずなのに…)
まだぼんやりとする意識の中で、ナギはそんなことを思い出していた。
「ナギーー!どこにいるの?!」
不思議な声は、だんだんナギの近くに近付いて来る。
(誰……?)
敵意は感じられないものの、迂闊に返事をして良いものかどうなのか、ナギはまだ決めかねていた。
「ナギーー!」
声はまるでナギの居場所を知っているかのように、ナギの傍に近付いて来る…
やがて、声だけではなく、その者の立てる足音までがナギの耳に入るようになっていた。
ナギはその場に立ち尽し、ただその足音の主がそこに現れるのを、息を殺してじっと待っていた。
ナギのすぐ近くの茂みが動く。
「ナギ!!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪
naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。
「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」
そして、目的地まで運ばれて着いてみると………
「はて?修道院がありませんわ?」
why!?
えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって?
どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!!
※ジャンルをファンタジーに変更しました。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
最愛から2番目の恋
Mimi
恋愛
カリスレキアの第2王女ガートルードは、相手有責で婚約を破棄した。
彼女は醜女として有名であったが、それを厭う婚約者のクロスティア王国第1王子ユーシスに男娼を送り込まれて、ハニートラップを仕掛けられたのだった。
以前から婚約者の気持ちを知っていたガートルードが傷付く事は無かったが、周囲は彼女に気を遣う。
そんな折り、中央大陸で唯一の獣人の国、アストリッツァ国から婚姻の打診が届く。
王太子クラシオンとの、婚約ではなく一気に婚姻とは……
彼には最愛の番が居るのだが、その女性の身分が低いために正妃には出来ないらしい。
その事情から、醜女のガートルードをお飾りの妃にするつもりだと激怒する両親や兄姉を諌めて、クラシオンとの婚姻を決めたガートルードだった……
※ 『きみは、俺のただひとり~神様からのギフト』の番外編となります
ヒロインは本編では名前も出ない『カリスレキアの王女』と呼ばれるだけの設定のみで、登場しておりません
ですが、本編終了後の話ですので、そちらの登場人物達の顔出しネタバレが有ります

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる