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003. 天界
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(……え?)
シュミットは、眩しさに目を細めた。
急にあたりが真昼のように明るくなり、そこに武装した天使たちが現れたのだ。
「おまえたちだな!最近、天界にいるべき者たちの魂を奪っていったのは!」
魔物が不敵に笑う…
天使と魔物の戦いが始まった。
シュミットは、戦闘から離れ、その様子を呆然と見ていた。
「シュミット、こっちへ!」
「え?あ…、お、おじいちゃん!」
シュミットの祖父は、彼女を連れて安全な場所へ飛んで行った。
「シュミット…えらい目に遭ったな。」
「戦闘の方は大丈夫なの?」
「あぁ、天使が魔物たちに負けることはない。
心配はいらん。」
祖父の微笑みに、シュミットもほっと胸を撫でおろした。
「おじいちゃん…会いたかった!
どうして、今まで会いに来てくれなかったの?」
「実はな…おまえが死んだことを知り、わしはおまえをなんとか生き返らせてくれるように、ずっと神に嘆願していたんだ。」
「そんなこと無理よ。
生き返ることなんて…それに日が経ち過ぎたわ。」
「それがようやく先程、聞き入れられたのだ。
おまえは生きてる間にいろいろと大変な苦労をせねばならなくなったが、とにかく戻れることになった。
世のため、人のために精一杯、頑張るのだ。
良いな、シュミット…」
「そんな…まさか…あ、あぁっ!」
*****
「シュミット!シュミットーーー!」
シュミットの母は、彼女の体に取りすがり、我が子の名を叫ぶ…
「う、うぅん…」
「シュミット…?」
シュミットはうっすらと目を開いた。
「シュミット!気が付いたの!?」
「……母さん……」
シュミットは意識を取り戻した。
時は、シュミットが急に倒れてそのまま死んでしまったあの時に戻っていた。
「母さん…おじいちゃんが…」
「おじいちゃん?」
「ええ…私…おじいちゃんの夢を見ていたような気がするの。」
「そう…良かったわね、きっとおじいちゃんがあなたを助けてくれたんだわ。」
母親は涙を流しながら、シュミットの手をしっかりと握り締めた。
シュミットは、眩しさに目を細めた。
急にあたりが真昼のように明るくなり、そこに武装した天使たちが現れたのだ。
「おまえたちだな!最近、天界にいるべき者たちの魂を奪っていったのは!」
魔物が不敵に笑う…
天使と魔物の戦いが始まった。
シュミットは、戦闘から離れ、その様子を呆然と見ていた。
「シュミット、こっちへ!」
「え?あ…、お、おじいちゃん!」
シュミットの祖父は、彼女を連れて安全な場所へ飛んで行った。
「シュミット…えらい目に遭ったな。」
「戦闘の方は大丈夫なの?」
「あぁ、天使が魔物たちに負けることはない。
心配はいらん。」
祖父の微笑みに、シュミットもほっと胸を撫でおろした。
「おじいちゃん…会いたかった!
どうして、今まで会いに来てくれなかったの?」
「実はな…おまえが死んだことを知り、わしはおまえをなんとか生き返らせてくれるように、ずっと神に嘆願していたんだ。」
「そんなこと無理よ。
生き返ることなんて…それに日が経ち過ぎたわ。」
「それがようやく先程、聞き入れられたのだ。
おまえは生きてる間にいろいろと大変な苦労をせねばならなくなったが、とにかく戻れることになった。
世のため、人のために精一杯、頑張るのだ。
良いな、シュミット…」
「そんな…まさか…あ、あぁっ!」
*****
「シュミット!シュミットーーー!」
シュミットの母は、彼女の体に取りすがり、我が子の名を叫ぶ…
「う、うぅん…」
「シュミット…?」
シュミットはうっすらと目を開いた。
「シュミット!気が付いたの!?」
「……母さん……」
シュミットは意識を取り戻した。
時は、シュミットが急に倒れてそのまま死んでしまったあの時に戻っていた。
「母さん…おじいちゃんが…」
「おじいちゃん?」
「ええ…私…おじいちゃんの夢を見ていたような気がするの。」
「そう…良かったわね、きっとおじいちゃんがあなたを助けてくれたんだわ。」
母親は涙を流しながら、シュミットの手をしっかりと握り締めた。
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