11 / 697
001. 砂の城
8
しおりを挟む
「離れろ!ここから出るんだ!」
俺はそう叫びながら必死で走り続けた。
せめてあいつだけには助かって欲しい!…そう思って叫んだんだけど、ランスロットは相変わらず俺の名前を呼んでたから、きっと聞こえてなかったんだ。
焦りと恐怖で、俺は泣き出したい気持ちになった…懐かしい両親の顔や友達の顔が頭をよぎる。
その時、ようやく俺の目の前にあの扉が現れたんだ。
俺は扉を開けると、ランスロットがそれに気付き、一際大きな声で俺の名を呼んだ。
俺はその声に返事もせず、転がるように階段を駆け下りた。
「ルークさん、ご無事で良かった!」
ランスロットは手を振り、呑気に喜んでる。
馬鹿野郎!こんな高い所で元の大きさに戻ったら、俺は……
早く降りないと…早く…!
これ以上ないくらいに走り続けて、あと少しという所で俺は階段から足を踏み外してしまった。
「あ…あぁっっ!」
「あ、危ない!!」
宙を舞う俺の身体をランスロットが受け止めようと待ち構える。
その時、悲劇は起こった。
「うっ…うぅっ…」
ランスロットの腕におさまる寸前、俺の身体は元の大きさに戻ってしまった…
哀れ…ランスロットは、全裸の俺の下で倒れている。
「ランスロット、大丈夫か!?」
「……は、はい…なんとか…」
俺は、ランスロットの上から飛び退き、砂まみれになった奴はゆっくりと身体を起こし、俺を見て慌てて後ろを向いた。
「ルークさん!早く服を着て下さい!」
「あーーーっっ!」
俺は慌てて服を身に着ける。
大変な目にはあったが、なんとか二人共無事に砂の城を出ることが出来た。
ただ、問題はこの笛なんだ。
なんで、宝箱に入ってたのが鍵ではなくこれなのか…?
その理由は、ランスロットにもやはりわからなかった。
とりあえず、ストック爺さんの意見を聞いてみることにしよう。
俺達は、再び、マザークロスを目指して歩き出した。
俺はそう叫びながら必死で走り続けた。
せめてあいつだけには助かって欲しい!…そう思って叫んだんだけど、ランスロットは相変わらず俺の名前を呼んでたから、きっと聞こえてなかったんだ。
焦りと恐怖で、俺は泣き出したい気持ちになった…懐かしい両親の顔や友達の顔が頭をよぎる。
その時、ようやく俺の目の前にあの扉が現れたんだ。
俺は扉を開けると、ランスロットがそれに気付き、一際大きな声で俺の名を呼んだ。
俺はその声に返事もせず、転がるように階段を駆け下りた。
「ルークさん、ご無事で良かった!」
ランスロットは手を振り、呑気に喜んでる。
馬鹿野郎!こんな高い所で元の大きさに戻ったら、俺は……
早く降りないと…早く…!
これ以上ないくらいに走り続けて、あと少しという所で俺は階段から足を踏み外してしまった。
「あ…あぁっっ!」
「あ、危ない!!」
宙を舞う俺の身体をランスロットが受け止めようと待ち構える。
その時、悲劇は起こった。
「うっ…うぅっ…」
ランスロットの腕におさまる寸前、俺の身体は元の大きさに戻ってしまった…
哀れ…ランスロットは、全裸の俺の下で倒れている。
「ランスロット、大丈夫か!?」
「……は、はい…なんとか…」
俺は、ランスロットの上から飛び退き、砂まみれになった奴はゆっくりと身体を起こし、俺を見て慌てて後ろを向いた。
「ルークさん!早く服を着て下さい!」
「あーーーっっ!」
俺は慌てて服を身に着ける。
大変な目にはあったが、なんとか二人共無事に砂の城を出ることが出来た。
ただ、問題はこの笛なんだ。
なんで、宝箱に入ってたのが鍵ではなくこれなのか…?
その理由は、ランスロットにもやはりわからなかった。
とりあえず、ストック爺さんの意見を聞いてみることにしよう。
俺達は、再び、マザークロスを目指して歩き出した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

婚約破棄を告げた瞬間に主神を祀る大聖堂が倒壊しました〜神様はお怒りのようです〜
和歌
ファンタジー
「アリシア・フィルハーリス、君の犯した罪はあまりに醜い。今日この場をもって私レオン・ウル・ゴルドとアリシア・フィルハーリスの婚約破棄を宣言する──」
王宮の夜会で王太子が声高に告げた直後に、凄まじい地響きと揺れが広間を襲った。
※恋愛要素が薄すぎる気がするので、恋愛→ファンタジーにカテゴリを変更しました(11/27)
※感想コメントありがとうございます。ネタバレせずに返信するのが難しい為、返信しておりませんが、色々予想しながら読んでいただけるのを励みにしております。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
左遷されたオッサン、移動販売車と異世界転生でスローライフ!?~貧乏孤児院の救世主!
武蔵野純平
ファンタジー
大手企業に勤める平凡なアラフォー会社員の米櫃亮二は、セクハラ上司に諫言し左遷されてしまう。左遷先の仕事は、移動販売スーパーの運転手だった。ある日、事故が起きてしまい米櫃亮二は、移動販売車ごと異世界に転生してしまう。転生すると亮二と移動販売車に不思議な力が与えられていた。亮二は転生先で出会った孤児たちを救おうと、貧乏孤児院を宿屋に改装し旅館経営を始める。

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる