8 / 697
001. 砂の城
5
しおりを挟む
「小人もうまいことを考えたものですね。
人間が乗れば落ちてしまう階段を作れば、小人以外にはこの最上部には上がれないということですね。
宝物の隠し場所としては最高ですね。」
「感心してる場合か。
その鍵がなけりゃ小人の村には入れないんだぞ。」
「…そうですね。
なにか手は……そうだ!
オウムかなにか、頭の良い鳥を飛ばして、取りに行かせたらどうでしょう?」
「あの扉はどうすんだ?
それに、宝物が重かったら持てないぞ。
第一、そんな芸当が出来る鳥をどこでみつけて来るつもりなんだ?」
そうなんだ。
階段の先には扉があって、それを開けないと部屋には入れないようになっている。
いくら小さな扉だとはいっても、鳥にはとても開けられそうにない。
「では…小さな子供を梯子であそこまで持ち上げて、取りに行かせるというのは…」
「おまえなぁ…小人の大きさを知ってるのか?
人間で言えば、せいぜい生まれたての赤ん坊程度の大きさだぞ。
そんな赤ん坊がこの長い階段を…」
「……ルークさん…?
どうかなさったんですか?」
急に言葉が途切れた俺の顔を、ランスロットがのぞきこむ。
「え……あ……あぁ……」
その時、俺の頭の中にはある考えが浮かんでいた。
そうだ…生まれたての赤ん坊くらい大きさの人間なら行けるかもしれない!
つまり…真夜中のちっちゃくなった俺だったら…
だけど、それには一つ大きな問題がある。
俺の秘密がバレてしまうってことだ。
はしごを上るのもちっちゃくなった俺には大変なことだが、なんとかそれが出来たとしても、そこから階段は少し離れているため、ランスロットに階段まで手を伸ばして乗せてもらわなければならない。
どうしよう…!?
「ルークさん、大丈夫ですか?
御加減でもお悪いのでしたら、今日は戻りましょうか?」
「いや、そうじゃない…そうじゃないんだ…」
まぁ、こいつが悪い奴ではないことはわかってるからその点は信用してるんだけど、やっぱりこの秘密は知られたくない。
でも、知られずになんとか上まで登れる方法が他にあるか?
階段が壊れてなけりゃ俺だけでもなんとかなったのに…畜生!
ランスロットは、俺のことを心配そうな顔をしてみつめてるし…
どうすりゃ良いんだ!?
……結局、悩んだあげく、俺は覚悟を決めた。
ええい!もうどうにでもなれ!
俺は、ランスロットに俺の秘密を話すことに決めた。
人間が乗れば落ちてしまう階段を作れば、小人以外にはこの最上部には上がれないということですね。
宝物の隠し場所としては最高ですね。」
「感心してる場合か。
その鍵がなけりゃ小人の村には入れないんだぞ。」
「…そうですね。
なにか手は……そうだ!
オウムかなにか、頭の良い鳥を飛ばして、取りに行かせたらどうでしょう?」
「あの扉はどうすんだ?
それに、宝物が重かったら持てないぞ。
第一、そんな芸当が出来る鳥をどこでみつけて来るつもりなんだ?」
そうなんだ。
階段の先には扉があって、それを開けないと部屋には入れないようになっている。
いくら小さな扉だとはいっても、鳥にはとても開けられそうにない。
「では…小さな子供を梯子であそこまで持ち上げて、取りに行かせるというのは…」
「おまえなぁ…小人の大きさを知ってるのか?
人間で言えば、せいぜい生まれたての赤ん坊程度の大きさだぞ。
そんな赤ん坊がこの長い階段を…」
「……ルークさん…?
どうかなさったんですか?」
急に言葉が途切れた俺の顔を、ランスロットがのぞきこむ。
「え……あ……あぁ……」
その時、俺の頭の中にはある考えが浮かんでいた。
そうだ…生まれたての赤ん坊くらい大きさの人間なら行けるかもしれない!
つまり…真夜中のちっちゃくなった俺だったら…
だけど、それには一つ大きな問題がある。
俺の秘密がバレてしまうってことだ。
はしごを上るのもちっちゃくなった俺には大変なことだが、なんとかそれが出来たとしても、そこから階段は少し離れているため、ランスロットに階段まで手を伸ばして乗せてもらわなければならない。
どうしよう…!?
「ルークさん、大丈夫ですか?
御加減でもお悪いのでしたら、今日は戻りましょうか?」
「いや、そうじゃない…そうじゃないんだ…」
まぁ、こいつが悪い奴ではないことはわかってるからその点は信用してるんだけど、やっぱりこの秘密は知られたくない。
でも、知られずになんとか上まで登れる方法が他にあるか?
階段が壊れてなけりゃ俺だけでもなんとかなったのに…畜生!
ランスロットは、俺のことを心配そうな顔をしてみつめてるし…
どうすりゃ良いんだ!?
……結局、悩んだあげく、俺は覚悟を決めた。
ええい!もうどうにでもなれ!
俺は、ランスロットに俺の秘密を話すことに決めた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
ファントーシュ 私は魔法が使えない
かける
ファンタジー
アカネ・シズクノは小さいころから魔法が使えなかった。
自分はいつか魔女になるんだ。そう願わぬ願いを毎日信じていた。
ある日、アカネは師匠となる魔女と出会った。
アカネは魔女についていき、弟子となった。
物語はそうしたアカネが成長し、魔法使いとなったお話。
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。

婚約破棄を告げた瞬間に主神を祀る大聖堂が倒壊しました〜神様はお怒りのようです〜
和歌
ファンタジー
「アリシア・フィルハーリス、君の犯した罪はあまりに醜い。今日この場をもって私レオン・ウル・ゴルドとアリシア・フィルハーリスの婚約破棄を宣言する──」
王宮の夜会で王太子が声高に告げた直後に、凄まじい地響きと揺れが広間を襲った。
※恋愛要素が薄すぎる気がするので、恋愛→ファンタジーにカテゴリを変更しました(11/27)
※感想コメントありがとうございます。ネタバレせずに返信するのが難しい為、返信しておりませんが、色々予想しながら読んでいただけるのを励みにしております。

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
いずれ最強の錬金術師?
小狐丸
ファンタジー
テンプレのごとく勇者召喚に巻き込まれたアラフォーサラリーマン入間 巧。何の因果か、女神様に勇者とは別口で異世界へと送られる事になる。
女神様の過保護なサポートで若返り、外見も日本人とはかけ離れたイケメンとなって異世界へと降り立つ。
けれど男の希望は生産職を営みながらのスローライフ。それを許さない女神特性の身体と能力。
はたして巧は異世界で平穏な生活を送れるのか。
**************
本編終了しました。
只今、暇つぶしに蛇足をツラツラ書き殴っています。
お暇でしたらどうぞ。
書籍版一巻〜七巻発売中です。
コミック版一巻〜二巻発売中です。
よろしくお願いします。
**************

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる