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夢
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『そうか、もう三度にもなるのだな。
しかし、意外だったな。
いつもおせっかいなおまえが今回はアルドーにだけ的を絞ったというのは…
だが、それで良いのだ。
その方が物事の成功率は高くなるのだからな。』
「……おい…
一体、何のことを言ってるんだ?」
『ライラは言ってたではないか。
アルドーは、ライラに絵を見せに行く途中で馬車にはねられそうになった子供を助け、そのせいで絵がぐしゃぐしゃになったのだと。
違ったか?』
「な、な、なんだって…
そ、それじゃあ、アルドーに助けられた子供は…」
ジュリアンの心臓の鼓動が急に速く打ち始めた。
その時、二階から扉の開く音がした。
『もしかしたら、アルドーではないのか?』
ジュリアンは、階段を駆け上る。
アルドーの部屋の扉の前で、黒い巻き毛の男が鍵をかけている最中だった。
片腕には布でくるんだ四角いものを持っている。
「あ、あんた!アルドーだな!!」
「え…ええ、そうですが、あなたは?」
「そんなことはどうでも良い!
あんた、ライラの店に行く所だったんだろ?
もう少しだけここにいてくれ!」
「な、なぜです?
なぜ、そんなことを?」
「え…なぜって…そ、その…
そうだ!ライラが今こっちに向かってるんだ!
もうじきここに来るから待っててくれ!
それと、あんたどの道を通ってライラの店に行くつもりだった?」
「え…?そんなこと…」
「良いからさっさと答えろ!
時間がないんだ!!」
ジュリアンの剣幕に押され、アルドーはぼそぼそと説明を始めた。
「わかった!あの道だな!
ってことは…馬車道はあそこしかねぇ!!」
「あ…あの…」
ジュリアンは、アルドーをその場に置いて一目散に駆け出した。
アルドーがあの時助けた子供をアルドーの代わりに助けるために…!
しかし、意外だったな。
いつもおせっかいなおまえが今回はアルドーにだけ的を絞ったというのは…
だが、それで良いのだ。
その方が物事の成功率は高くなるのだからな。』
「……おい…
一体、何のことを言ってるんだ?」
『ライラは言ってたではないか。
アルドーは、ライラに絵を見せに行く途中で馬車にはねられそうになった子供を助け、そのせいで絵がぐしゃぐしゃになったのだと。
違ったか?』
「な、な、なんだって…
そ、それじゃあ、アルドーに助けられた子供は…」
ジュリアンの心臓の鼓動が急に速く打ち始めた。
その時、二階から扉の開く音がした。
『もしかしたら、アルドーではないのか?』
ジュリアンは、階段を駆け上る。
アルドーの部屋の扉の前で、黒い巻き毛の男が鍵をかけている最中だった。
片腕には布でくるんだ四角いものを持っている。
「あ、あんた!アルドーだな!!」
「え…ええ、そうですが、あなたは?」
「そんなことはどうでも良い!
あんた、ライラの店に行く所だったんだろ?
もう少しだけここにいてくれ!」
「な、なぜです?
なぜ、そんなことを?」
「え…なぜって…そ、その…
そうだ!ライラが今こっちに向かってるんだ!
もうじきここに来るから待っててくれ!
それと、あんたどの道を通ってライラの店に行くつもりだった?」
「え…?そんなこと…」
「良いからさっさと答えろ!
時間がないんだ!!」
ジュリアンの剣幕に押され、アルドーはぼそぼそと説明を始めた。
「わかった!あの道だな!
ってことは…馬車道はあそこしかねぇ!!」
「あ…あの…」
ジュリアンは、アルドーをその場に置いて一目散に駆け出した。
アルドーがあの時助けた子供をアルドーの代わりに助けるために…!
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