天使からの贈り物・夢

ルカ(聖夜月ルカ)

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「ど、どわっっ!
あ、あんた!一体どこから!?」

ジュリアンの真横にいる男が、いきなり酒を噴き出した。



「き…汚ねぇなぁ…
俺は、さっきからここにいたさ。
あんた、ちょっと飲みすぎたんじゃないか?!」

「え……さっきから??」

男はどうも腑に落ちないといった顔で首をひねりながらも、あらためてグラスの酒を飲み干した。



「そうだな。そう言われれば、ちょっと飲みすぎたかもしれないな。
あんたが突然ここに現れたように錯覚してしまった…
今夜はこのあたりでひきあげることにするよ。
じゃあな…」

男は複雑な表情で店を出て行った。



『どうやら戻ったようだな。』

「そうだな。
どのくらい前に戻ったんだろう?」

『船着き場に行って、東の大陸行きの船の出航日を聞いてみればどのくらい戻ったのかわかるんじゃないのか?』

「おっ!さすがはエレスだ!
早速、行ってみよう!」

ジュリアンは、船着場に走った。
そこで、東の大陸行きの船がいつ出るのか聞いてみると、一週間後ということだった。



「一週間後ってことは…
まだアルドーの絵は完成しちゃいなくて、あの町にいるってことだな。
よし!
今度こそ、なんとかしなきゃな!
まずは町に帰ろう!」

『おいおい、今から帰ったんじゃ真夜中になるぞ。
今夜は泊まって明日の朝発ったらどうだ?
まだ日はあるのだからな。』

「それもそうだな。
今夜はゆっくり休息して、明日から頑張るか…!」
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