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偽り
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*
「あ、あとしばらく滞在することにしたから、よろしく頼むよ。」
「かしこまりました。」
「それと…」
「何か…?」
「あ…あぁ…なんでもないんだ。」
マージにハリーのことを話そうかと考えたジュリアンだったが、またあんな悲しい顔をされるかと思うと、やはり言うことは出来なかった。
ジュリアンは、昨日ハリーに教えてもらった場所に向かうと、早速、採掘作業を始めた。
これといって特別な石は出て来なかったが、一つだけ大きなガーネットがみつかった。
(これは、けっこう良質な石だ!
……あ、そうだ…!)
ジュリアンは、ガーネットを見ながら突然ひらめいたアイディアに一人ほくそ笑む…
*
いつもの酒場でジュリアンが飲んでいると、そこへハリーがやって来た。
「よう、ハリー!よく来てくれたな!
ちょうど良かった!」
「なにかあったのか?
実は、今日はちょっとあんたに頼みたいことがあってな。」
そう言いながら、ハリーはジュリアンの向かいに座った。
「俺に頼みたい事?一体、何なんだ?」
「俺は明日の朝、この町を発つ。
それで、俺がいなくなった後、これを…マージに渡してほしいんだ。」
そう言って、ハリーはジュリアンの前に大きめの封筒を差し出した。
「なんで自分で渡さないんだ?」
「それは…やっぱり言いにくいじゃないか。
頼むよ。」
「そうか、わかった。
で、中身は何なんだ?」
「たいしたもんじゃない。
それと、すまないんだが、俺がこの町を出て結婚することもあんたからマージに伝えてくれないか?」
「それも俺が言うのか?!」
「あぁ、頼むよ…
それじゃあ、俺、これからちょっと用があるから…
じゃあな!」
「あ…あぁ…」
そそくさとその場を立ち去るハリーの背中を見送り、ジュリアンは小さな溜め息を吐いた。
「あ~ぁ…やな役ひき受けちまったなぁ…
マージ、きっと哀しむだろうなぁ…」
宿への帰り道、ジュリアンは小さな声で呟いた。
『ならば、なぜ、断らなかった?』
「そうは言っても、ハリーもきっと俺以外に頼める奴がいなかったんだろうしなぁ…」
『おまえは本当にお人好しだな…』
「仕方ないだろ!
そういう性分なんだから…!
さてと、今夜は早めに寝るか…」
『早寝の割にはいつも起きるのは遅いんだな。』
「俺は、そういう体質なの!」
明日、マージにハリーの言伝を話さなくてはならないことを考えると心は重かったが、そんな悩みがあっても横になるとすぐに眠れるというのも、これまたジュリアンの体質だった。
「あ、あとしばらく滞在することにしたから、よろしく頼むよ。」
「かしこまりました。」
「それと…」
「何か…?」
「あ…あぁ…なんでもないんだ。」
マージにハリーのことを話そうかと考えたジュリアンだったが、またあんな悲しい顔をされるかと思うと、やはり言うことは出来なかった。
ジュリアンは、昨日ハリーに教えてもらった場所に向かうと、早速、採掘作業を始めた。
これといって特別な石は出て来なかったが、一つだけ大きなガーネットがみつかった。
(これは、けっこう良質な石だ!
……あ、そうだ…!)
ジュリアンは、ガーネットを見ながら突然ひらめいたアイディアに一人ほくそ笑む…
*
いつもの酒場でジュリアンが飲んでいると、そこへハリーがやって来た。
「よう、ハリー!よく来てくれたな!
ちょうど良かった!」
「なにかあったのか?
実は、今日はちょっとあんたに頼みたいことがあってな。」
そう言いながら、ハリーはジュリアンの向かいに座った。
「俺に頼みたい事?一体、何なんだ?」
「俺は明日の朝、この町を発つ。
それで、俺がいなくなった後、これを…マージに渡してほしいんだ。」
そう言って、ハリーはジュリアンの前に大きめの封筒を差し出した。
「なんで自分で渡さないんだ?」
「それは…やっぱり言いにくいじゃないか。
頼むよ。」
「そうか、わかった。
で、中身は何なんだ?」
「たいしたもんじゃない。
それと、すまないんだが、俺がこの町を出て結婚することもあんたからマージに伝えてくれないか?」
「それも俺が言うのか?!」
「あぁ、頼むよ…
それじゃあ、俺、これからちょっと用があるから…
じゃあな!」
「あ…あぁ…」
そそくさとその場を立ち去るハリーの背中を見送り、ジュリアンは小さな溜め息を吐いた。
「あ~ぁ…やな役ひき受けちまったなぁ…
マージ、きっと哀しむだろうなぁ…」
宿への帰り道、ジュリアンは小さな声で呟いた。
『ならば、なぜ、断らなかった?』
「そうは言っても、ハリーもきっと俺以外に頼める奴がいなかったんだろうしなぁ…」
『おまえは本当にお人好しだな…』
「仕方ないだろ!
そういう性分なんだから…!
さてと、今夜は早めに寝るか…」
『早寝の割にはいつも起きるのは遅いんだな。』
「俺は、そういう体質なの!」
明日、マージにハリーの言伝を話さなくてはならないことを考えると心は重かったが、そんな悩みがあっても横になるとすぐに眠れるというのも、これまたジュリアンの体質だった。
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