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side ヒルダ
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「ヒルダ…ひさしぶりだな。」
マグダナ様は、作り笑顔を浮かべられた。
少しはわしを歓迎して下さったということか…
「王妃様。お久しぶりでございます。」
「リゴレットまで、わざわざ、私に会いに来たのか?」
「はい。」
「どんな用向きだ?」
「実は……マグダナ様にお伝えしたいことがことがございまして…」
「そうか、私もちょうど頼みたいことがあったのだ。」
マグダナ様の頼みたいことには、予測が着いた。
だが、きっと、わしの話をお聞きになれば、マグダナ様は頼み事等されないだろう。
「マグダナ様…実は……」
わしは、話を始めた。
聞き進めるうちに、マグダナ様の顔からは血の気が引いて行った。
「……嘘だ。そのようなことがあるはずがない!」
青い顔をしたマグダナ様が、震える声でそう言われた。
「残念ながら嘘ではありません。
この話を知っているのは、執事のトーマスと私だけです。
トーマスから私は話を聞かされ、トーマスに協力したのです。」
「嘘だ!そんなこと…!」
「本当のことにございます。」
「なぜ…なぜに、そなたはそんな勝手な真似を…!」
マグダナ様はたいそう興奮なされていた。
それも当然のことだ。
マグダナ様は、今の今までそのことを知らなかったのだから。
「わしには、それが正しいことだと思えたからです。
そして、わしのその判断は正しかった…」
「どういうことだ!」
「それは……」
わしは話を続けた。
マグダナ様の興奮は最高潮に達し、体がわなわなと震えていた。
「ヒルダ…ひさしぶりだな。」
マグダナ様は、作り笑顔を浮かべられた。
少しはわしを歓迎して下さったということか…
「王妃様。お久しぶりでございます。」
「リゴレットまで、わざわざ、私に会いに来たのか?」
「はい。」
「どんな用向きだ?」
「実は……マグダナ様にお伝えしたいことがことがございまして…」
「そうか、私もちょうど頼みたいことがあったのだ。」
マグダナ様の頼みたいことには、予測が着いた。
だが、きっと、わしの話をお聞きになれば、マグダナ様は頼み事等されないだろう。
「マグダナ様…実は……」
わしは、話を始めた。
聞き進めるうちに、マグダナ様の顔からは血の気が引いて行った。
「……嘘だ。そのようなことがあるはずがない!」
青い顔をしたマグダナ様が、震える声でそう言われた。
「残念ながら嘘ではありません。
この話を知っているのは、執事のトーマスと私だけです。
トーマスから私は話を聞かされ、トーマスに協力したのです。」
「嘘だ!そんなこと…!」
「本当のことにございます。」
「なぜ…なぜに、そなたはそんな勝手な真似を…!」
マグダナ様はたいそう興奮なされていた。
それも当然のことだ。
マグダナ様は、今の今までそのことを知らなかったのだから。
「わしには、それが正しいことだと思えたからです。
そして、わしのその判断は正しかった…」
「どういうことだ!」
「それは……」
わしは話を続けた。
マグダナ様の興奮は最高潮に達し、体がわなわなと震えていた。
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