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舞踏会

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 「では、行って参ります。
シャルアさんのこと、どうぞよろしくお願いします。」

 「ええ、お任せ下さい。
シャキア様、舞踏会を楽しんで下さいね。」

 「はい。」



 私は、侍女達に付き添われ、大広間に向かった。
 真っ赤なドレス、そして、頭には宝石の散りばめられたティアラ…



今日、私は真の意味でリゴレットの王女・シャルアとなる。
その存在を各国の王族や貴族に見せつけるんだ。



 広間には、すでに大勢の招待客が集まっていた。
 私が入って来たのを見ると、その場に歓声が上がった。



シャルアさん、見てるかな?
この歓声は、あなたのためのものですよ…



じわっと来るのを堪え、私は玉座に向かった。
そこでは、陛下と王妃がにこやかな顔で私を出迎える。



 「皆様、今日は我が国の王女・シャルアの回復を祝う舞踏会にお越しいただき、誠にありがとうございます。」



 陛下の声に、また大きな歓声と拍手がわきあがった。
これが本当のシャルアさんだったら...どれほど良かっただろう。



シャルアさんは、今、どんな想いでこのシーンを見ているのだろう?



 悲しいけれど、泣くわけにはいかない。
 私は無理に微笑んで、教わった優雅なお辞儀をして、席に着いた。
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