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替え玉の王女

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 「シャキア…本当なのですか!?
 本当に私の願いを聞き入れてくれるのですか?」

 「はい。」



 今、確かに「はい」と答えたけれど…
心の中はすごくざわめいている。
 言った傍から後悔もしている。
 昨夜、私は寝ずに考えて…それで答えを出したつもりだったけど、もしかして、結果を出すのが早かった?



 「シャキア…どうもありがとうございます。」

 彼女は目を潤ませ、冷たくて華奢な指で私の手を握り締めた。
その握力のなさがとても悲しい…



「シャキア様、よくご決断して下さいました。
 早速ではありますが、これからの計画をお話しします。
まず、シャルア様がご静養のため、別荘に行くと言われます。
もちろん、それは嘘です。
シャルア様とシャキア様には隠し部屋でしばらく過ごしていただきます。
そして、一か月程経った頃…シャキア様がシャルア様の替え玉として城に戻ります。」

 「えっ!?」



ちょっとびっくりはしたけれど…
考えてみれば、よく考えられていると思う。
だって、突然、元気な私と弱ってるシャルアさんが入れ替わったら、いくら似てるとはいえ、あまりにも不自然だ。



 「何も心配はありません。
 必ず、うまくいきますからご心配なく。」

サンドラさんはそう言うけれど、やっぱり心配。



 「あ、あの…私、本当にシャルアさんの身代わりが務まるでしょうか?」

 「それなら大丈夫です。
 一緒に過ごす一か月の間に、私がいろんなことをお話します。」

 「はぁ…」



 一か月で二十数年分の出来事を覚えられるだろうか?
 私はすでに、はいと答えてしまったことを後悔し始めていた。
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