121 / 258
リゴレット王国
4
しおりを挟む
「シャルア様にお取次ぎを。」
「はい。」
女性はある扉の前で立ち止まった。
シャルア様って、一体誰なんだろう…?
しばらくして扉が開き部屋に通され、さらにその先の扉の前に着いた時…
「そなたはここで待たれよ。」
女性は、マリウスさんにそう言った。
次の扉が開いた。
私がマリウスさんを振り返ると、マリウスさんはゆっくりと頷いた。
私も同じように頷き返す。
(ここでじたばたしても仕方ないよね。
マリウスさんはここにいてくれるんだし…うん、きっと大丈夫…)
私はそんな風に自分に言い聞かせた。
部屋の中にはベッドがあり、薄い布の天蓋がかけられていた。
「シャルア様…」
「サンドラ…なにかあったのですか?」
「シャキア様をお連れしました。」
「な、なんですって?」
侍女が天蓋を開いた。
そこに横たわっている人を見て、私は思わず声を上げそうになった。
似てる…
私より痩せているけど、私より上品な雰囲気だけど…その人は私にとても良く似ていた。
「シャキア…会いたかったわ…とても……」
白い、か細い指…
腕には青い宝石の付いたバングルが輝いている。
その手が私に向かって差し伸べられて…
この光景には記憶があった。
……そうだ!夢で見たんだ。
そう気付いたら、総毛立つような感覚を覚えた。
「はい。」
女性はある扉の前で立ち止まった。
シャルア様って、一体誰なんだろう…?
しばらくして扉が開き部屋に通され、さらにその先の扉の前に着いた時…
「そなたはここで待たれよ。」
女性は、マリウスさんにそう言った。
次の扉が開いた。
私がマリウスさんを振り返ると、マリウスさんはゆっくりと頷いた。
私も同じように頷き返す。
(ここでじたばたしても仕方ないよね。
マリウスさんはここにいてくれるんだし…うん、きっと大丈夫…)
私はそんな風に自分に言い聞かせた。
部屋の中にはベッドがあり、薄い布の天蓋がかけられていた。
「シャルア様…」
「サンドラ…なにかあったのですか?」
「シャキア様をお連れしました。」
「な、なんですって?」
侍女が天蓋を開いた。
そこに横たわっている人を見て、私は思わず声を上げそうになった。
似てる…
私より痩せているけど、私より上品な雰囲気だけど…その人は私にとても良く似ていた。
「シャキア…会いたかったわ…とても……」
白い、か細い指…
腕には青い宝石の付いたバングルが輝いている。
その手が私に向かって差し伸べられて…
この光景には記憶があった。
……そうだ!夢で見たんだ。
そう気付いたら、総毛立つような感覚を覚えた。
0
お気に入りに追加
115
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
そう言うと思ってた
mios
恋愛
公爵令息のアランは馬鹿ではない。ちゃんとわかっていた。自分が夢中になっているアナスタシアが自分をそれほど好きでないことも、自分の婚約者であるカリナが自分を愛していることも。
※いつものように視点がバラバラします。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
男に間違えられる私は女嫌いの冷徹若社長に溺愛される
山口三
恋愛
「俺と結婚してほしい」
出会ってまだ何時間も経っていない相手から沙耶(さや)は告白された・・・のでは無く契約結婚の提案だった。旅先で危ない所を助けられた沙耶は契約結婚を申し出られたのだ。相手は五瀬馨(いつせかおる)彼は国内でも有数の巨大企業、五瀬グループの若き社長だった。沙耶は自分の夢を追いかける資金を得る為、養女として窮屈な暮らしを強いられている今の家から脱出する為にもこの提案を受ける事にする。
冷酷で女嫌いの社長とお人好しの沙耶。二人の契約結婚の行方は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる