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ガザン王の剣

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男の驚きようは尋常じゃなかった。



 「あんた…これを知ってるのか?」

マリウスさんは、私の手から剣を取った。



 「ま、まさか…それはガザン王の剣…?」

 「そうだ。」

 「どうしてそれを…!?
それは、特に価値のあるもんじゃないぞ。」

 「確かにそうだ。
だけど、俺には価値のあるものだ。」

 「えっ!?そ、それじゃあ、まさかあんたは…」

マリウスさんは、鞘から剣を引き抜いた。
それを見て男性はたいそう驚き、マリウスさんの前に跪いた。



 「何の真似だ?」

 「お、俺の曽祖父は、ガザン国王にお仕えする者だったそうです。
 曽祖父は祖父に、そして、祖父は父に…ガザンの再興を願っていたらしいです。
 当然、俺も…父からその遺志を伝えられました。
 俺は、偶然、ガザン王の剣の噂を知り、それを取りにここまで来ました。
ですが、この森は呪われた森…ここに入ったが最後、一向に出ることが出来ず、俺はもうここで何か月も彷徨っています。」



まさか、マリウスさん以外にもガザンの再興を願ってる人がいたなんて…



「そうだったのか…
実は、俺もガザンの再興を考えている。
どうか、協力してほしい。」

 「陛下!ありがたき幸せにございます!」

 男性は、目に涙をため、頭を下げた。
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