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魔法使いの家

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 「どうした?やけに静かじゃな。」

おばあさんの言う通り、夕飯の食卓では皆が黙りこんでいた。
 私の場合は、大量の洗濯で疲れてたから。
ただそれだけなんだけど。



 「けっこう忙しかったから疲れたんです。」

マリウスさんが小さな声で呟いた。
やっぱり、マリウスさん達も同じだったんだね。



 結局、私達は、おばあさんの家に住み込むことになった。
 宿屋に泊まるにしてもお金がかかるだろうから、それはありがたいことだけど、毎日こんなに忙しかったら大変だなぁ…







その後も、予想通り、忙しい日々が続いた。
 洗濯のない日は、雑用をさせられた。
 針仕事とか、薬の整理とか…
おばあさんは魔法使いなのに、ほとんどのことは魔法を使わずにやってるみたい。



 「ねぇ、おばあさん…
私の両親は、どうして私が呼ばれてることに気付いたんでしょう?」

 針仕事の最中に、私はふと頭に浮かんだ疑問を訊ねてみた。



 「そりゃあ、腕輪を見ればわかるじゃないか。」

 「腕輪を…?どういうことですか?」

 「わしも実際見たわけではないが、門を動かし受け入れ態勢を整えると腕輪が光を放つようじゃ。
それを見たら、両方の腕に腕輪を装着する。
そうすれば、腕輪の放つ光の玉に包まれ、異界からこちらに来るはずじゃ。」

 「そ、そうです!
まさに、その通りです!」

 私はあの時のことをまざまざと思い出していた。
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