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魔法使いの家

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「奴らは、おまえさんのことを知っておるのか?」

 「いえ…話していません。」

 「そうか、事情がわからんうちはまだあまり話さん方が良いだろう。
それと、あのマリウスとか言う者…どんな奴なんじゃ?」

 「それが…まだ知り合ったばかりで、良く知らないんです。」

 「なるほど…それで、様子を見に来たんじゃな。
しかし、それならなぜフェルナンという男は、あいつを助けるようなことを言ったんじゃ?」

 「それは、私にもわかりません。」



 確かに、フェルナンさんは親切な人だ。
 私のこともずっと面倒をみてくれた。
ということは、マリウスさんのことも親切で…?



 「しばらく様子をみれば、なにかわかるかもしれないな。
おまえさんも何かわかったら、こっそり教えておくれ。」

 「はい、わかりました。」



おばあさんが、一か月の雑用を申し付けたのは、マリウスさんの正体を見極めるためだったのかもしれない。
そこまで慎重になるのも何かおかしいような気はするけど…考え過ぎかな?



 「さぁ、とにかく洗濯を頼んだよ。
 王女様かもしれないおまえさんにこんなことを頼むのは気が引けるけど、事情がわかるまでは特別扱いはしないからね。」

 「はい、そうして下さい!」



 私が王女様だなんて、ないない。
きっと何かの間違いだから…
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