替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする

ルカ(聖夜月ルカ)

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魔法使いの家

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「これを本当に両親からもらったのか?」

 「は、はい…」

 「それは、本当の両親か?」

 「え…!?」

おばあさんのその質問に、私は面食らってしまった。
だって、今まで一度だって、両親が実の親かどうかなんて考えたことなかったもの。



 「そ、そうだと思いますが…」

 「おまえさん、どこから来た?」

 「えっ!?」

 私は、ますますびっくりしてしまった。
 今の質問はどういう意味だろう?
まさか、おばあさんは私が違う世界から来たことを知ってるの!?



 「え…えっと…そ、その、私は……」

なんて答えれば良いのか、戸惑うばかりで良い返事が浮かばない。
おばあさんは、そんな私をじっと見ていて…そして、はっとしたように大きく目を見開いた。



 「まさか……おまえさん、門から来たのか?」

 「も、門ですか?」

どういうことだろう?
 今まで門らしきものは見た記憶がないけれど……



「向こうから来たのか?」

 「え……」

おばあさんは、私の身に起きたことを理解しているように思えた。
もしかしたら、おばあさんは私がここに来た理由もわかってるかもしれない。
 私は覚悟を決めた。



 「は、はい、そうなんです。
 私は、ここではないところから来ました。」

 「なんと…!」

おばあさんは、息を飲み私をじっとみつめてた。

 
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