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魔法使いの家

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マリウスさんは、さっきおじさん達に教えられた通り、町の中を南に向かって歩いていた。



 「魔法使いに会いに行くって言ったのは嘘ではなかったようだな。」

 「そうですね。」



 私達は、なおもマリウスさんの後をつけた。
やがて、民家や店がなくなり、あたりはだんだんと寂れた雰囲気になっていった。
さらに歩いていくと、山の麓に粗末な家が一軒ぽつんと建っているのが見えた。



 「きっと、あれだ。」

 私達は、木陰に身を潜めながら、マリウスさんの動向を窺った。



 思った通り、マリウスさんはその家に向かって歩いていった。
マリウスさんは家に着くと、躊躇いもせず扉を叩いた。
しばらくすると、黒いローブを着た小さな老婆が家の中から出て来た。
 童話に出て来る悪い魔法使いにあまりにもそっくりで、私はちょっとびっくりしてしまった。
 二人はそこで何事かを話し、マリウスさんは家の中に通された。



 「……行こう。」

 「はい。」

 私達は小走りで魔法使いの家まで向かい、フェルナンさんが窓からそっと中の様子をのぞいた。
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