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逃亡の果てに

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「腹が減っただろうが、あと少しの辛抱だ。
もう少し先に行けば、ちょっとした町があるから。」

 「はい。」



 確かにお腹はものすごくすいてたけど、今、ここになにもないことはわかってる。
 子供じゃないんだから、駄々をこねるわけにはいかない。
 我慢しなきゃ。



 「じゃあ、行こうか。」

 私達は、さらに南に向かって歩き始めた。



 私達が逃げたことをもう奴らはきっと気付いているだろう。
ぐずぐずはしていられない。



だけど、そんなことを忘れるくらい、なんだかのんびりした雰囲気だった。
それは、マリウスさんが明るいせいかもしれない。
よく笑うし、冗談も言う。



その笑顔を見ていたら、なんだか急に小林さんを思い出した。
マリウスさんの方がイケメンだけど、笑顔が可愛いところが小林さんに似てるのかも…



「ところで、あんた達…南のどこに行くつもりなんだ?」

 「え?それは……」

フェルナンさんは言葉に詰まり、黙り込んだ。



 「……訳ありってことか?」

フェルナンさんは、顔を上げ、マリウスさんをみつめた。



 「図星って顔だな。」

 「……まぁ、そういうことだ。」

フェルナンさんは苦笑し、小さく肩をすくめた。

 
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