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逃亡の果てに

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 (え……?)



 目が覚めた部屋は見覚えのない場所で…
一瞬、焦ったけど、すぐに昨夜のことを思い出し、慌てて起き上がった。



 「やっと起きて来たか。」



 居間のような部屋に、フェルナンさんと見知らぬ男性が向かい合わせに座ってた。



 「おはよう。」

 男性のその声には、聞き覚えがあった。



マリウスさんだ…!
 昨夜は薄暗くて良くわからなかったけど…マリウスさん、こんなイケメンだったんだ…!
フェルナンさんとタイプは違うけど、二人共、なんて格好良いの!?



 「……サキ、どうかしたのか?」

 「え?い、いえ…」

 「とにかく、外の小川で顔を洗って来い。」

 「は、はいっ!」



 私は言われるままに、外に飛び出した。
 小川はすぐに見つかった。
パッと見た所、あたりには民家がない。
もしかしたら、ここは町のはずれなのかもしれない。



それにしても、マリウスさんがあんなに素敵な人だったとは…
彼の顔を思い出すと、自然と顔が綻んでしまう。



こんな時に、お化粧やおしゃれが出来ないのは本当に辛い。
って、悪い奴らに追われてるっていうのに、そんな暢気なこと考えてる場合じゃない!?

 
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